人民元に描かれた花、あなたは全部知っている?

2018-12-19 10:25:21

 

「人民元発行70周年」を記念した展覧会が、最近、話題を集めている。今年51日に31年間流通していた第4版人民元の一部紙幣が流通停止となり、我々の生活から姿を消した。現在流通している人民元のほとんどは、1999年に発行された第5版人民元となる。我々にとってなじみ深い第45版人民元には、「鳥のさえずりと花の香り」が描かれた世界となっている。

「喜鵲登梅(カササギと梅)」、「綬鳥翠竹(コジュケイと竹)」、「松鶴同春(松と鶴)」、「鳳穿牡丹(鳳凰と牡丹)」など、詩や絵の境地に満ち溢れている中国伝統の縁起物と名花珍鳥は、1987427日に発行された第4版人民元のデザイン素材として選ばれた。

1喜鵲登梅】

中国では一般的に鵲(カササギ)は吉祥のシンボルであり、「幸運」と「幸せ」を意味する。風霜の中でも花を咲かせる梅は、強靱さや粘り強さを意味すると同時に、幸福長寿平和の意味もある。

2綬鳥翠竹】

「綬鳥(コジュケイ)」は「トジュケイ」とも呼ばれ、その「綬」の中国語の発音は「寿」と同じ音となるため、「長寿」を意味することは分かりやすいかもしれない。また「君子」の象徴である「竹」は、「剛直で他人にへつらわない」、「素直で努力家」、「質素」を意味し、文人や知識人たちからしばしば賞賛の対象となっており、北宋の詩人蘇軾(蘇東坡)は、「寧可食無肉、不可無居竹(肉は食べなくてもよいが、竹が無くては暮らせない)」という有名な言葉を残した。

5松鶴同春】

仙鶴とは丹頂鶴とも呼ばれ、古くから鳥類としては鳳凰に次ぐナンバー2として尊ばれ、「恵まれた徳と能力」を意味する。松がまっすぐに伸び、厳しい寒さを恐れないさまは、「強固で何ものにも屈しない」性質を象徴している。人々は昔から、鶴と松という縁起の良いシンボルを一緒に描くことを好んだ。

10鳳穿牡丹】

中国では「百鳥の王」とされる鳳凰は、人々にとって縁起が良くめでたい鳥。牡丹は、中国の「国花」で「百花の王」。非常に美しく、「富と吉祥」を意味する。

1999101日に発行された人民元第5版では、さまざまな花のデザインが、紙幣表側の下方に印刷されており、優雅なデザインは古風で質素なものの、現代的なセンスもふんだんに盛り込まれている。

1蘭】

「花の四天王」のひとつである蘭は、昔から「高潔で優雅」を象徴する花とされてきた。

5水仙】

水仙は一般的に水栽培されるため、あらゆる花々が枯れてしまう極寒の12月でも、青々とした葉と香り豊かな美しい花を咲かせる。

10月季花】

「世界四大切り花」の一つである月季花(ロサキネンシス)の花弁の色は美しく多様であり、1年中開花し、「頑強で屈しない」という意味がある。

20蓮】

蓮の花は、「純白清らか」、「清新優雅」を意味する。古くから蓮の花の清らかさを愛で、その崇高な美しさを表現した言葉も少なくない。

100山茶花】

冬から春にかけて咲く山茶花の花は、しとやかな姿と艶やかな色で、観る人を魅了する。

 

「人民網日本語版」20181218

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