盛夏を迎え、人々に最も人気なのは「避暑旅行」だ。ここでは避暑にピッタリな中国の十大避暑地である長春と伊春、承徳、恩施、西寧、貴陽、林芝、攀枝花、烏蘭察布、香格里拉を紹介。爽やかさを感じながら、避暑旅行を計画する際の参考にしてみよう。人民日報海外版が伝えた。
〇林芝
西蔵自治区林芝市尼洋河の畔に咲く色鮮やかな花々(資料写真)
西蔵(チベット)と聞くと、雪の高原をイメージする人が多いだろう。しかし、林芝市は、「西蔵の江南」と讃えられている。同市は、海抜が低く、植物が生い茂っている。遠くに見える雪山は、まるで巨大な冷蔵庫のようで、酷暑には、林芝に天然の「熱さまし」を送ってくれる。夏に林芝の高原牧草地帯をそぞろ歩くと、心地良いそよ風が肌をくすぐり、色とりどりの花が咲き誇っている。
青蔵高原に位置する林芝には、雄大な雪山や氷河の自然の奇観を数多く目にすることができる。南迦巴瓦峰や米堆冰川、雅魯藏布大峡谷はいずれも、世界的にも有名な自然景観だ。
〇香格里拉
(資料写真、撮影・太郎)
チベット語で「心の中の太陽と月」を意味する香格里拉は、雲南省迪慶蔵族(デチェン・チベット)族自治州に位置し、州政府所在地でもある。香格里拉の5―10月の平均気温は11~20度。英国の作家ジェームズ・ヒルトンの小説「失われた地平線」で舞台になったことから、香格里拉は一躍有名になった。ここには、虎跳峡や普達措国家公園、ソンツェリン寺、ナパ海、巴拉格宗などの有名観光スポットがある。
さわやかな夏の日、「世俗を離れた別世界」といわれる香格里拉ではまるで天国のような景色が広がる。紺碧の空に神々しさすら感じさせる雪山、神秘的な寺院、どこまでも続く星空など、この地はユートピアへの憧れを抱く観光客を存分に満足させてくれる。
〇貴陽
黄金色に輝く貴州省貴陽市花渓区の棚田(資料写真)
古くから、「空に天国、地に蘇州・杭州あり 気候が穏やかで心地良い貴陽」と言われてきた貴陽は、「山の中に都市があり、都市の中に山があり、緑のベルトに囲まれ、森林が都市を囲み、都市が林の中にあり、林が都市の中にある」森林都市だ。この地を訪れた観光客は、青々とした山や川のなかで心の声を聴き、心ゆくまで遊びリフレッシュして、涼しい夏を堪能することができる。
貴陽には多くの観光資源がある。黔霊山公園や観山湖公園、花渓国立公園などの生態公園のほか、鎮山村や王崗村などのプイ族の村もある。手つかずの自然の風景を鑑賞したいなら、天河潭に行かない手はない。
〇攀枝花
攀枝花市馬鹿寨の風景(画像提供:攀枝花市文化広電・観光局)
四川省攀枝花市は、花が名前の由来となっている。夏の月平均気温は26度、湿度も人間にとって最も快適な55-60%。大気の質の優良率は、長期にわたり95%以上を維持している。全国各地が続々と酷暑を迎えるころ、攀枝花は避暑リゾートとして最適の目的地となる。
攀枝花は豊かな観光資源を擁し、攀西大裂谷や原生林、国内最大面積を誇る索瑪花畑、二灘国家森林公園のほか、顓頊龍洞など良質の資源がある。
〇烏蘭察布
(資料写真)
烏蘭察布市には、杜爾伯特(トルベト)草原、輝騰錫勒(ホイトンシロ)高山草地高原、烏蘭哈達(ウランハド)火山草原の三大草原あることから、同市は「草原博物館」と讃えられる国家級の避暑聖地。市内の随所に、太古の遺跡や森林湖沼、温泉火山が分布している。
烏蘭察布市涼城県は6千年以上の歴史を誇る。最も暑い7月でもその平均気温はわずか20.5度。母なる湖「岱海」は、内蒙古で3番目に大きい内陸湖で、7~8月の平均水温は20度以上、最高水温は27度で、避暑に最も適した観光地だ。
〇長春
長春で開催した国際美食文化節(資料写真)
7月の平均気温はわずか22度の長春は、3年連続で「ベスト避暑都市」の名誉を獲得した。
大黒山脈や松花江、伊通河避暑観光ベルトが長春を貫いており、農業観光や農園での花・実摘み、田舎暮らし、健康養生などさまざまな形態の観光プロジェクトを開発しており、「避暑まつり」、「国際ビールまつり」、「イチゴ音楽まつり」などのイベントを相前後して開催し、ポジティブなライフスタイルコンセプトを尊重し、涼しげでファッショナブルな屋外イベントは、毎年大勢の観光客を惹きつけている。
〇伊春
湯旺河国家公園(画像提供:伊春市文化広電・観光局)
伊春は、黒竜江省小興安嶺の中央部に位置しており、森林のカバー率は84.4%に達する、中国北方で有名な森林生態観光名都市。
伊春には、アジアで最大面積を誇り、保存状態が最も整っているアカマツ原生林の「五営国家森林公園」がある。園内のうっ閉率は70%に達し、観光客はほぼ全ての見学ルートで、涼しい木陰の下を歩くことができる。また、伊春には、中国で初めて認可を受けた国家公園のひとつ「湯旺河国家公園」がある。2億年の歴史がある花崗岩石林とアジアで最大面積のアカマツ原生林が、園内の林海・奇石の奇観を共同で構成している。
〇承徳
承徳避
暑山荘(画像提供:承徳市観光・文化広電局)
承徳の夏は、緑が青々と茂り、森林カバー率は57.67%に上り、夏の避暑と観光レジャーに理想の地といえる。同市は、北方地域では珍しい「水の豊かな都市」で、「北方の桂林、長城以北の三峡」と讃えられる蟠龍湖は、あまねくその名を知られている。雄大な万里の長城は、まるで竜が水と戯れるように青い波に潜り、この世で絶景の「水中の長城」を形成している。
「一号風景大道」は、国内マイカー旅行のベストルートになっており、全長180キロメートルに及ぶ。観光客は、旅の道中、おびただしい数の森林、草原、湖、湿原を鑑賞して、悠久の歴史を誇るモンゴル帝国史、満州族の民俗、かつての国境の要塞の文化を体験できる。
〇恩施
恩施屏山景勝地(画像提供:恩施州文化・観光局)
恩施の典型的なカルスト地形は、豊かな山水資源を作り上げており、海外メディアからは「中国で最も美しい仙境」に選出され、「世界遺産リスト」の文化遺産観光地に登録されている。恩施の年平均気温は16.2度、年平均降水量は1600ミリメートル。武漢と重慶という2大「ボイラー都市」の間に位置しており、夏の恩施は、「天然のエアコンルーム」のようだ。
恩施では、避暑に出かける目的地は枚挙にいとまがない。恩施大峡谷や秘境巴東、騰龍洞がある利川、花畑の中にある恩施緑野仙蹤国際硒養度リゾート観光区など、山水の中に思う存分身を浸せば、酷暑の夏はどこかに吹き飛んでしまう。
〇西寧
青海省の青蔵高原(チベット高原)野生動物園にある西寧パンダ館が正式に一般開放された(資料写真)
人々は、「夏に西寧に行くのなら、ニットのセーターを忘れないこと」と冗談交じりに話す。というのも、青海省西寧市は、黄土高原と青蔵高原の交わる場所に位置し、四方を山に囲まれているため、西寧の冬はそれほど寒くなく、夏も酷暑とは無縁で、夏の平均気温は23度。
西寧への避暑旅行の5大スタイルは、「西部西行マイカー旅行」、「美しい田園郷村旅行」、「緑水青山生態旅行」、「幸福の西寧都市旅行」、「シルクロード贅沢旅行」だ。観光客は、それぞれの好みに応じて旅行スタイルを自由に選ぶことができる。また、西寧には、西納川レジャー農業や日月山歴史文化、景陽現代施設農業などの郷村観光モデル地帯があり、観光客は、涼しい中、生態の美しさや非常に特色ある西寧文化を体験することができる。西寧は、数年前から、一連のフェスティバルイベントを開催している。たとえば、ローカル色豊かな青海軽食・西寧グルメフェスティバル、シルクロード国際音楽祭など特色ある祝祭日に催されるこれらのイベントは、いずれも興味深く、西寧の知名度と影響力を高める役割を果たしている。
「人民網日本語版」2019年7月10日
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