「雪龍2号」極地科学調査砕氷船に乗った中国第36回南極科学調査隊は9日、南大洋のコスモノート海で初の断面調査を実施した。中国の南極調査隊がこの海域で総合科学調査を実施したのはこれが初めて。
「雪龍2号」は12月7日に南大洋のプリッツ湾海域を離れて西に航行し、コスモノート海の科学調査作業を開始した。調査員はコスモノート海で初の断面調査を行い、南下し複数地点でCTD(伝導度水温水深計)採水作業、浮遊生物垂直引網作業、および魚類引網、箱型サンプル採取などの作業を実施。
「雪龍2号」は南緯65度からコスモノート海の初の断面調査を開始し、南に航行し緯度が高まるにつれ、海面は氷山が浮いた清水区から浮氷区、氷密集区へと変わっていった。
「雪龍2号」の最大の特徴はメイン甲板から海底に直通するムーンプールシステムを搭載した点で、広範囲の浮氷区でCTD採水作業を行うことができ、氷が密集し科学調査ができないという難題を克服し、断面調査とポジンションのシステム性を保障した。9日、科学調査隊はムーンプールシステムのテストを行い、南緯66度40分の氷密集区で初の同システムを使ったCTD採水作業を遂行した。
コスモノート海は中国南極科学調査隊が初めて総合科学調査を実施した海域で、世界的に科学認識が不足している海域でもある。
中国第36回南極科学調査隊の首席科学者の何剣鋒氏は、「雪龍2号」の今回のコスモノート海での科学調査の重点は、南大洋国際調査資料に欠乏している海域の海洋生態系の多学科総合調査を行い、国際社会の南極海洋生態系および気候変動の影響に関するシステム的認識を向上させることだと話した。
向こう1カ月で、科学調査隊はコスモノート海を西に移動しながら複数の断面とポジションの作業を実施し、物理海洋、海洋化学、海洋生態、海洋地質など多学科調査を展開する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年12月10日
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