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地震が四川観光業に及ぼす影響

 

2007年観光業収入のGDP占有率、四川が全国トップ

 

大地震が起こった5月12日、国家観光局は緊急通知を出し、四川省への旅行を暫定的に禁止した。同省観光局が5月24日時点で推計したところ、今回の地震によって四川観光業が被った直接損害額は500億元を上回る見通しという。楽観的に見積れば、非常事態が起こらない限り、四川観光業が震災後半年以内に完全に復活する可能性がある。しかし、観光業が元通りになるまでには半年、あるいは1年を要するという声も一部から挙がっている。「中国経済時報」が伝えた。

 

全体状況から総合的に見ると、ブン川地震災害は多くの死傷者を出し、インフラを壊滅的に破壊したとはいえ、観光業が被った損失は、短期間かつ局部的なものにすぎず、観光業の発展、特に中・長期的な発展に対するマイナス影響は限られる模様だ。

 

四川は観光業収入が1千億元を超える国内でも数少ない観光大省のひとつ。15の少数民族が住み続ける中国西南内陸部は、数多くの国内外観光客を引き付け、2007年の観光総収入は全省GDPの10%にあたる1217億元に達し、その割合は全国トップ。

 

2008年1?4月の統計データによると、全省の観光総収入376億2900万元は、主に九寨溝などの世界遺産を擁する観光地区からのもので、観光客数が最も多い地区は、峨眉山(延べ56万4300人)、楽山大仏(同52万1千人)、都江堰風景区(同48万4300人)など。

 

九寨溝と峨眉山は被害なし

 

某メディアの報道によると、地震による主な被災地域は、阿バチベット族自治州に集中しており、都江堰や青城山も震源地に近いことからある程度影響を受けたという。一部の地上建築物が倒壊、武侯祠・杜甫草堂など名所旧跡も破損したが、青城山の山体や都江堰の堰構造は完全なままで、四姑娘山や海螺溝などの主要観光地も被害を受けておらず、九寨溝、黄龍、峨眉山および楽山大仏などの世界遺産も無事だった。

 

川南、川中、川東の3本の観光ルートは地震の被害を受けなかったが、九寨溝に繋がる2本の幹線道路が完全に遮断された。四川省は広元-茂県-松潘を結ぶ道路の修復作業に急遽取り組み、同道路を九寨溝へ入る第2のルートとした。このほか、各省からの観光客は、甘粛・陝西経由の2ルートによって九寨溝に入ることができる。

 

以上の通り、四川の主要観光地が地震によって受けた被害はそれほど深刻なものではないといえる。壊れた古跡や建物は数カ月間の修復作業の後、再び観光客の受け入れが可能となる。当面の課題は、四川観光に対する人々の信頼を回復することだ。

 

四川周辺への団体旅行、キャンセル続出 信頼回復が急務

 

被災地で観光客は適切に避難・誘導されたが、多くのパッケージ旅行で予約のキャンセルが続出している。キャンセルを多数受け付けた旅行会社によると、キャンセルが出ているのは、四川向けツアーだけではなく、四川に近い華東地域、貴州、江西など各方面への旅行に及んでいるという。

 

毎年9、10月は九寨溝観光のピークシーズンだ。広東最大の旅行社・広之旅の担当者によると、九寨溝向けパッケージツアーでは、予約客の55%が出発日を延期、30%は旅行先を変更、ツアーをキャンセルしたのは約15%にとどまったという。

 

地震発生後、四川の観光業は被災地観光施設の再建作業を進めるほか、市場販促計画を積極的に作成し、観光客の信頼を回復し、観光客の誘致に努めている。国内ではすでに行動を開始した旅行社もある。南湖国際旅行社は、航空会社、現地受入旅行社、ホテルなど観光業の上・下流各資源と提携、一連の西部観光プランを特別価格で出すことを計画している。市場を再起動させ、観光客の旅行熱に火をつけることが狙いだ。地震後間もない四川観光パックは、「愛を込めた被災者救援シリーズ」を中心に売り出されるという。

 

「人民網日本語版」 2008年5月30日

 

 

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