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孔子学院の予備軍が不足 現地教師の育成が急務

 

世界で中国語を勉強している人は4000万人以上に上る。国家留学基金委員会の統計では、中国で中国語を勉強している留学生はわずか20万人と、4000万人に比べるとその割合は非常に少ない。

中国語ブームが対外中国語教育ブームを誘発

国内外にかかわらず、中国語を勉強する人数は急速に増えているが、中国語教師を一気に拡充することは非常に難しい。現在のところ外国人に中国語を教える中国語教師は、主に4年以上の専門教育を受けた「正規軍」と、ほか専門外の人たちの「遊撃隊」の2つに分かれているが、「正規軍」の人数は、学生募集人数の制約で限りがある。それに育成期間も長期にわたるため、短期間の育成で中国語教師になった大量の「遊撃隊」の補充が必要だ。

全国には対外中国語の専攻を設けている大学は200校以上あるが、北京大学や人民大学など基礎がしっかりした大学もあれば、ほとんど経験がなく、ただ市場のニーズに応じて中国文学部に対外中国語教育を増設したという大学も少なくない。

現地教師の育成が必要

「私たちは現地で29人の兼任教師を採用し、中国語教育と文化を広める仕事をしてもらっている。こうした教師たちは中国人留学生やその土地に定住する中国人、一定の中国語能力のある地元の外国人で、地元の教師を採用するのは、身元も安定していて地元に詳しいためだ」と話すのは、イギリスのシェフィールド大学孔子学院の梁彦民院長だ。

梁院長は「国内の対外中国語教育で最も大切なのはテキストかもしれないが、国外では教師の育成をまず解決しなければいけない。教師の育成に関しては、様々な検討会や交流会などを行っており、中国教育部対外中国語教学発展センターと今、イギリス中国語教師育成センターの設立を協議しているところだ」と話す。

孔子学院の発展に必要なのは十分な予備軍

北京語言大学孔子学院の関係責任者である陳麗霞氏は「中国は孔子学院の増設を国の「第12次五カ年計画期」(2011~2015年)の教育発展計画に組み入れており、それと同時に孔子学院が設置されている国が、孔子学院の建設や発展をその国の教育計画に一つの通常項目として組み入れてくれるよう望んでいる」と説明する。

北米にある孔子学院はあるエリアで、中国語の授業を開設する計画があると説明し、興味がある小中学校は連絡してほしいと広報した。すると予想の6校ほどの申し込みを上回る87校が連絡してきたという。

第4回孔子学院大会で新しく教育部部長に就任した袁貴仁氏はこうした事情を踏まえ、世界の中国語教育の差し迫った現実に焦点を合わせ、経験のある教師や地元教師の育成、テキストの構成、孔子学院の院長や教師の能力をさらに強化して、出来るだけ早く海外で必要とされている中国語教師を育成するよう強調した。

 

「チャイナネット」 2009年12月24日

 

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