日本の鳩山由紀夫首相は2日午前の民主党両院議員総会で辞任を表明した。民主党の小沢一郎幹事長も同日、辞意を表明した。新首相は民主党が4日に新党首を選出した後、国会での指名選挙を歴て就任。新内閣は7日か8日に発足すると見られる。
民主党出身の初の首相が就任後9カ月も経たずに辞任を表明するにいたった原因は何か。鳩山首相は辞任表明演説で第1に米軍普天間基地の移設問題、第2に政治資金の問題を挙げた。
■約束
普天間基地問題で最初に大言壮語、後に約束破棄
在沖縄米軍普天間基地の移設問題について、鳩山氏は昨年8月の総選挙前の6党党首討論会で大言壮語し、「最低でも沖縄県外に移設する」と約束した。総選挙で民主党が勝利し、同年9月の新内閣発足前に発表した3党連立政権合意でも、勢いに乗っていた鳩山氏は「県外移設」の大言壮語を撤回しなかった。同合意は、「沖縄県民の負担を軽減するため、『日米地位協定』改正の要求を提出し、米軍再編計画と在日米軍基地の問題を見直す」としている。同年12月25日の記者会見でも、自らの唱えた「大言壮語」に「期限」を設定。「(来年)5月末までに新たな移設地を決定する」と表明した。しかし、今年5月28日の日米共同声明で発表された案は、自民党政権時の原案と大同小異だった。
鳩山氏は安易な約束によって結果的に自らの首を絞めたと日本では評されている。
鳩山氏は移設候補地について約束を破った以外にも、「新たな移設案は沖縄県の地元、与党内、米国の3者の理解を得るものでなければならない」と約束していた。だが実際には、日米両政府間で合意に至っただけだったので、沖縄県民は激怒。連立与党を組む社民党も反対を表明した。
鳩山首相は5月28日に福島瑞穂消費者・少子化担当相(社民党党首)を罷免。社民党は同月30日、連立政権からの離脱を決定した。
■政治資金スキャンダル
政治資金問題という足枷を早急に解く必要
いわゆる政治資金問題とは、民主党の鳩山党首と小沢幹事長に関する問題で、政権に就く前からあったこの問題に、民主党はずっと苦しめられてきた。小沢氏は09年5月に政治資金問題で民主党党首を辞任し、鳩山氏が後を継いだ。それから1カ月後、鳩山氏は記者会見で、自身の政治資金管理団体の収支報告書に虚偽記載があったことを認め、陳謝。だがその責任を秘書に押し付け、自らは辞任しない考えを表明した。
首相就任から1カ月後、またも鳩山氏は、陰で母親から資金援助を受けていたことを暴露され、贈与税脱税の疑いをかけられた。鳩山氏は当時、検察の解明した事実に基づき、母親から提供された資金を贈与として申告し、速やかに納税すると表明。提供された資金は総額12億6000万円、納税額は6億円以上に上った。このため鳩山氏は自民党から「平成の脱税王」と評された。
昨年12月24日、鳩山氏の元秘書2人が、鳩山氏の資金管理団体と政治団体の収支報告書に虚偽記載した容疑で起訴された。在任中の首相の元秘書が刑事責任を追及される事態は、日本でも初めてだった。
小沢氏の政治資金問題については、現在もなお検察による調査が進められている。
鳩山氏は辞任表明演説で「政治資金問題を終わらせ民主党を盛り返すため、辞任する」「小沢幹事長との2回の会談で、『私は辞任する。幹事長も辞任していただきたい』と述べた」と表明。鳩山氏は自分と小沢氏の辞任によって、「よりクリーンな民主党を作りたい」と表明した。
鳩山氏の辞任表明演説から、民主党が政治資金問題という足枷を早急に解くことを望んでいることが容易に見てとれる。
「人民網日本語版」 2010年6月3日
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