台湾紙「自由時報」は、間もなく中国に赴任する新中国駐在大使の丹羽宇一郎氏が、東京で26日に開かれた記者会見で、1972年の中日共同声明の中の「台湾は中国領土の一部」という主張に対して、日本はただ単に「理解して尊重する」という立場を表明したに過ぎず、直接承認したことはなく、今後この問題について日本は同じ立場を堅持すると語ったと報道した。
これに対して「日本新華僑報」は28日にこの歪曲された報道に対して反駁。また在中国日本国大使館の報道官は、27日夜の「環球網」の取材で、「日本政府の台湾問題に関する一切の態度は、1972年の日中共同声明を基礎にしており、この立場が変わったことはない」と厳粛に表明している。
今回の記者会見の録画を全て見たが、丹羽氏は数人の記者の質問に答え、中日友好への自信を表している。記者会見での大使の中国に対する評価は、比較的に客観的であり理性的で、中日友好関係でも積極的な態度を示していた。台湾問題について私の記憶するところでは、「日本が台湾を中国の一部だと承認したことはない」と大使は言及していない。丹羽氏は台湾メディアの記者の質問に対して、繰り返して1972年の日中共同声明を尊重すると強調し、台湾が中国領土の一部だと日本が承認したことはないとは言っていない。なぜこの台湾メディアが「承認したことはない」と丹羽氏が言ったと報道し、またその言葉をタイトルとして使って強調したのか分からない。
丹羽氏の発言について「環球網」は27日昼、日本国大使館に確認の取材をした。しかし在中国日本国大使館広報文化センターの西淳也二等秘書は、記者会見での具体的な発言内容を確認しておらず、東京に確かめる必要があるとして、「いまは答えられない」と説明。その日の夜、「環球ネット」の記者は西淳也氏の電話を受け、丹羽氏の発言について西淳也氏は「台湾問題について日本政府の一切の態度は、1972年の中日共同声明に基づくもので、この立場が変わったことはない」と述べた。
日本の田中角栄首相は1972年9月25日から9月30日にかけて、周恩来総理の招きで中国を訪れ、中日双方は中日共同声明を発表した。その中の台湾問題に関わる条項では、「台湾は中華人民共和国の領土の分割できない一部分である」という立場を含んでいる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年7月29日
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