
1996年上海観光祭の中日詩吟大会で詩舞を演じる西村文子氏と、詩吟を披露する西村好郎氏(左から2番目)
今年9月で西村好郎氏が設立した吟道館流上武吟詠会岳風会は創立35周年、夫人の西村文子氏が設立した寿流日詩舞舞鶴登枝会も創立45周年を迎える。これを記念した日中文化交流大会に、中国側関係者も西村夫妻から招待を受けている。西村夫妻との20年間の付き合いを振りかえると、二人がひたすら詩吟、詩舞を追求し続け、すばらしい成果を収めたことに敬服するばかりでなく、日中文化交流に熱心に力を尽くしてきたことに感動の念を抱かざるを得ない。
1990年に入ってから、西村夫妻は数年連続で訪中団を率いて馬鞍山中日詩吟会に参加した。1996年からは、毎年、メンバーを率いて上海で催された上海観光祭国際(中日)詩吟会に参加し、上海豫園の古戯台、宋園、孔子廟、松江方塔、魯迅公園、復興公園などに詩吟メンバーの吟声が高く響き、詩舞を演じる姿が見られた。その詩吟、詩舞の内容はほとんど唐詩や宋詞であるところから、西村夫妻が中国の古代文化を好んでいることがわかる。西村夫妻の演技の目玉は西村好郎氏が吟詠し、西村文子夫人が詩舞を演じる夫唱婦随の名コンビによる演目だ。西村夫妻が1997年に上海豫園の古戯台で詩吟、詩舞を披露した際には、橋本逸郎駐上海日本総領事(当時)と中国の有名な映画監督である謝晋氏(故)が演技を観賞後、そのすばらしさを称えた。
西村夫妻はメンバーたちを率いて中国で詩吟、詩舞の文化交流に参加するだけでなく、メンバーを連れて中国の名所旧跡、名山大河を遊覧し、古詩詞の境地を味わい、即興で詩を吟じたり、詩舞を演じたりして、その感動を表現している。万里の長城、ゴビ砂漠、黄河、長江、黄山、雁蕩山、江南水郷などにも足を運び、吟声と詩舞の姿を披露しただけでなく、中国に対するすばらしい印象を抱き、日中友好に対する深い感情を育んだ。
西村好郎氏は群馬県吟剣詩舞道総連盟副理事長でもある。徳望の高い西村氏は吟詠に造詣が非常に深く、群馬県ひいては関東地方の詩吟界においても影響力がある。西村夫妻はよく詩吟や詩舞の活動を行い、関東地方の詩吟・詩舞団体を招待している。1998年から、私は何回も西村夫妻の招かれて、上海詩吟・詩舞愛好者を率いて伊勢崎市で催された日中文化交流大会に参加した。訪問メンバーには有名な俳優、舞踏家、声楽家、企業家、会社員、市民などがいた。彼らが演じる中国流の吟詠、詠唱と詩舞は、日本詩吟・詩舞愛好者に大歓迎され、喜ばれた。中日両国の詩吟・詩舞愛好者がともに詩吟・詩舞を披露して交流を行い、中日文化交流の新しい一章を切り開き、国民間の理解を深め、中日友好を促した。
西村夫妻は一貫して日中詩吟・詩舞の交流は有意義なものだと考えているため、高齢と体の衰えも顧みず、今年、創立記念大会である日中文化交流大会を開催しようとしている。大会では上海音楽学院教師で声楽家・七弦琴演奏者の劉芳瑛氏が日本から中国に伝わった「東皋楽譜」で七弦琴を弾きながら李白の「子夜呉歌」などの古詩文を歌う予定である。劉芳瑛氏の出演が日本の観客の心を揺り動かし、今回の中日文化交流が成功を収め、西村夫妻が愛する日中詩吟・詩舞交流が中日文化交流史に輝かしい1ページを書き加えることを信じている。(于 強)
「北京週報日本語版」2010年8月9日
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