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日本企業の対中投資が活発 自動車関連は珠江デルタに集中

商務部国際貿易経済合作研究院 王濼

09年は世界経済が深刻な金融危機に陥った1年であり、世界各国の海外直接投資も大きな影響を受けた。その中で、中国経済は真っ先に回復し、力強い経済成長と巨大な市場により、外国企業がポスト危機時代に最も注目する投資先となった。

日本は対中投資の主要国のひとつである。ここ数年は投資リスク分散のために東南アジアやインド市場に注目していたが、中国の国内需要の拡大にともなって、中国市場により関心を抱くようになった。

中国商務部の統計によれば、09年の外国企業の対中直接投資額は実行ベースで900.3億ドル、そのうち日本企業は前年比12.9%増の41.2億ドルで全体の4.6%を占め、香港、英領バージン諸島に次いで第3位であった。一方、日本貿易振興機構(ジェトロ)の統計によると、09年の日本の対中直接投資額は前年比6.2%増の69億ドルに達し、日本の対外直接投資総額の9.2%を占め、米国、ケイマン諸島に次いで第3位であった。産業別に見ると、製造業への投資が全体の71.1%を占め、そのうち輸送用機械が14%、食料品が12.7%、一般機械が9.5%。非製造業への投資は全体の28.9%で、そのうち金融・保険業が14.4%、小売・卸売業が12.4%であった。

日本企業の投資先についてみると、依然として重点は珠江デルタ、長江デルタ、環渤海などの沿海地域。なかでも注目すべきは、一つの産業が特定地域に集中する傾向にあること。広東省を例に挙げると、09年の外国企業の直接投資額(実行ベース)は195.4億ドルで全国の12.5%、そのうち日本企業は前年比19.8%増の6.3億ドルで全体の3.2%を占めた。日本企業は投資額こそそんなに多くはないものの産業集中度はかなり高く、自動車関連企業の珠江デルタ地域への投資は特に目を引くものがある。

広東省の深センと東莞は労働集約型及び輸出志向型産業で有名であるが、自動車産業の発展は遅かった。日本のホンダ、日産、トヨタが進出してから、広東省の自動車生産と販売は急速に伸び、自動車産業に明らかな変化が生じた。09年の広汽ホンダの自動車販売台数は前年比19.4%増の36.6万台、東風日産は同47%増の51.7万台、広汽トヨタは同21.7%増の20.9万台、3社の合計は109.2万台で、全国の販売台数の10.6%を占めた。日本の自動車大手3社が広東省に生産拠点を設立し、生産量が拡大するのにともない、日本の自動車部品サプライヤーも広州市やその近辺の中山市、仏山市に工場を設立するようになった。日本の自動車関連企業の集中投資により、自動車産業は広東省の基幹産業のひとつになりつつある。

日本国内の自動車部品の供給は、通常、大手自動車メーカーによって区分される。つまり、自動車メーカーはそれぞれ固定の部品サプライヤーを持ち、これらの株式の一部を保有することによって安定した協力関係を結んでいるのである。

変速機など完成車との一体化が特に必要な重要部品は、メーカーによって技術要件が異なる。従来、日本の自動車メーカーは重要部品を社内で生産し、外部に委託するのは少量であった。しかし、社内生産のコストや技術面の競争力は専門の部品メーカーには遠く及ばないため、最近は専門の部品メーカーと資源統合を行うところも現れ、自動車部品の生産規模は日増しに拡大している。

 

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