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日本企業の対中投資が活発 自動車関連は珠江デルタに集中

 

各自動車大手の部品サプライヤーは中国への進出をまだ完全には果たしていない。したがって、中国では日本国内と同じように固定のサプライヤーから部品の提供を受けることができない。

目下、広東省の自動車部品メーカーは、技術が比較的成熟している音響、電池、タイヤなどの労働集約型や車台などの輸送コストが高い企業が多く、付加価値の高いエンジン系列、駆動伝導及び制動系列の企業は少ない。日系完成車メーカーが必要とする重要部品は、一部は中国の日系部品メーカーが提供しているが、残りは欧米の部品メーカーからの提供か、日本からの輸入で補っている。このため、広東省の日系自動車メーカーの中国シェア拡大にともない、重要部品メーカーもいっしょに進出させようという要望がますます高まっている。

また、将来的に中国が自動車消費大国になるにあたり、中国政府は自動車国産化率の上昇を奨励しており、日本や欧米諸国の完成車メーカーの中国国内での部品調達を拡大し、国産化率を40%以上に高めたいとしている。つまり、中国国内の高付加価値部品に対する需要が大幅に増えるということである。コアテクノロジーを有する日本の部品メーカーにとって、広東省への投資はめったにないチャンスを迎えているといえる。

広東省には広汽ホンダ、東風日産、広汽トヨタの3大日系自動車メーカーとこれらに付随する部品メーカーが集中している。これらの企業は中国シェアの更なる拡大をはかるため、09年に新たな投資計画を次々と打ち出した。

東風日産は50億元を投じて広州市に年産24万台の新工場を設立する計画である。日産系列の変速機メーカー・ジャトコは4億元を投じて無段変速機の生産能力を年産14万台から38万台に高める。トランスミッションを生産するユニプレスは2億5000万元を投じて工場を新設し、日産自動車への提供能力を強化するとしている。盟和産業は仏山市に生産子会社を設立し、華南地区での自動車内装部品の製造・販売体制立ち上げに着手。これは、同社にとって大連に設立した子会社に次ぐ第2の中国生産拠点となる。

これまで広東省に進出した日本の自動車部品メーカーは、中国の安い労働力を利用して生産コストを下げ、日系の完成車メーカーに部品を提供していた。しかし近年は中国国内の自動車部品メーカーも急速に成長しており、中国メーカーが生産した労働集約型部品は国内の自動車メーカーだけでなく、海外にも輸出されている。このため、すでに進出している、或いは進出を計画している日本の部品メーカーは、安い労働力だけに頼っていては生き残ることができず、自身のコアテクノロジーとハイエンド製品を中国市場にいかに根付かせるかが、避けて通れない課題である。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年8月23日

 

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