「かつて、日本の遣唐使は日中交流のために大きな貢献を果たしましたが、現在開催中の上海万博は、中国のソフト・パワーの向上に大きな作用を果たしています。私は、ソフトパワーの向上が、日本にも大きな影響を及ぼすだろうと期待しています。」。上海万博の日本館館長・江原規由氏は14日、記者のインタビューを受け、万博が日中交流に与える効果をこう賞賛した。
日本館は上海万博で最も人気があるパビリオンの一つだ。13日までに、既に、487万人が日本館を訪れており、万博の閉幕までに来館者数は550万人に達する。
日本館の展示は、「日中友好」というテーマを中心にしたものだと、江原館長は説明する。「来館した中国の方々が最も喜んでくれるのは、やはり、日本のロボットが中国の民謡『茉莉花』をライブ演奏する場面です。これは、日本と中国の科学技術と文化の融合です」。
江原館長によれば、今回の万博は主催側の存在感が非常に強い万博で、テーマについての発見や貢献も、他の万博に比べてより大きくなり、万博の持つ国際的影響力もより強くなる。日本への影響を例にとれば、万博が日中両国間のパブリック・ディプロマシーや民間外交、文化交流を大きく促進した。「日中国交正常化の早期には、民間外交は政府外交のリードによるものでしたが、現在では、その局面は明らかに変化しました」。
江原館長が喜ばしく感じた、もう一つの出来事がある。先頃、中日関係には波乱が生じたが、その波乱が生じてからの一時期も、日本館への来館者は減少することなく、通常時の水準が保たれ、その来館者の大部分は中国人であった。「人々の成熟度が、本当に、日増しに高まりつつあると感じさせられました」。
多くの中国人が万博という窓を通し、日本についての知識を深めた。しかし江原館長は、日本の地を踏んでこそ、日本という国を深く理解できるのではないかと考える。科学技術の進歩により、日中両国間の時間的距離は益々縮まり、日本を訪れることも益々容易になっていく。中国でも、役人や政界ブレーンだけでなく、民間の「日本ツウ」がどんどん出現してくるだろう。
「万博期間中、千名以上の中国の小学生達が日本館を見学に来てくれました。声を掛けてみると、なんと、彼らの内の70%以上が日本を訪れたことがあると知りました。これはやや特別な例かも知れませんが、もし、日本を訪れたことのある人が増えていけば、中日関係に及ぼす影響も計り知れません。私はその日が一日でも早く来るのを待ち望んでいます」と、江原館長は語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年10月18日
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