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資料写真:日本で留学する魯迅 | 漢字文化圏の国である日本の伝統文化は、中国文化から大きな影響を受け、その生活習慣や伝統的な年中行事の多くは、中国から伝わったものである。西暦を採用した日本人は、新年、端午、七夕、中秋などの多くの行事を太陽暦の日に摩り替え、それらは本来の行事から遠く離れてしまったが、変わらずに残っているのは、伝統を守る心である。「日本新華僑報サイト」が伝えた。
伝統を守る心は、既に、日本の教育にも深く浸透している。日本の小中学校の国語の教科書には、一貫して、漢文や漢詩が掲載されている。『論語』や『史記』、または、李白や杜甫である。
日本の中学校の教科書には、以前からずっと、魯迅の作品が掲載されている。我が子の中学校三年間分の国語教科書に目を通してみると、外国人の著作は殆ど掲載がない。アジア人の中では、ただ魯迅一人だけが忽然と姿を現し、凛として存在している。中学三年の国語教科書では、「世代を超えて」という単元の最初に魯迅の小説『故郷』の日本語版があり、しかも抜粋ではなく、全文掲載なのである。生徒達の理解を助けるための挿絵や注釈を加えれば、25頁ものスペースを割いている。
日本の中学校の国語教科書はかなり分厚く、本文以外にも、中国の「課外閲読」(授業外の読物)に相当する「読書」という部分があるが、魯迅の作品はこの「読書」の部分ではなく、教科書の本文にあたる。
高校教科書から魯迅の作品が削除されて議論を呼んだ中国の状況と、日本の教科書の状況を比べると、感慨深いものがある。
魯迅は既に1つの象徴であり、魯迅作品は既に古典であり、文化であり、伝統の一部になっている。魯迅の社会に対する批判、国民の悪習への指摘。依然として、警世の書たるを失しない。魯迅の作品からは、暗黒や憎しみ、そして、刃物のような鋭さだけでなく、「哀其不幸、怒其不争」(魯迅の言葉、「その不幸を哀れみ、その争わざるを怒る」)という大きな愛や滲み出るような無垢な心が感じられる。
日本の中学校の教科書では、魯迅をどのように評価しているのだろうか。「植民地化に向かう中国を見つめ、封建制度からの解放と自立を国民に呼びかけ続けた」。日本の教科書の編者は、このように日本の子供達に教えている。
日本では、殆どの人が魯迅を知っている。その大きな理由は、戦後の日本の学校教科書の中に魯迅が生き続けているからである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年12月10日
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