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中日関係の改善には長い月日を要する

 

内政外政ともに窮地に陥っている民主党政権

日本の民主党政権は今、内政外政ともに窮地に陥っている。

内政問題では、一つ目に内閣支持率が政権維持ボーダーラインまで下がっていることが挙げられる。閣僚の失言や外交上の失策が連続し、菅直人政権への支持率はあっという間に30%を切った。今では鳩山由紀夫前首相辞任時の支持率にまで近づいており、自民党への支持率を下回る結果になっている。新華社週刊ニュース誌『瞭望』が伝えた。

二つ目は与野党の対立である。釣魚島沖の中国漁船衝突事件をめぐる一連の政府対応にかかわった仙谷由人官房長官と馬淵澄夫国土交通相に対する問責決議が11月26日、参院本会議において行われ、野党の賛成多数でそれぞれ可決された。野党側は両氏の辞任を求めているが、民主党は「辞任する必要はない」との考えを示している。野党側は、来年1月召集の通常国会において、民主党が提出するすべての議案に対し野党側は反対票を投じる心づもりだ。

三つ目は、党内対立の激化が挙げられる。「防衛計画の大綱」の見直し、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加、小沢一郎民主党元代表の国会招致を巡る問題などにおいて、党内で意見が分かれている。

外交問題では、一つ目に中日関係の改善が見られないことが挙げられる。11月、横浜で開催されたAPEC首脳会議において、胡錦涛国家主席との会談の場を持つことができた菅直人首相だが、中日関係の改善に向けた表面的な意見が交わされただけで、肝心の釣魚島問題に関しては一切触れられなかった。

二つ目は日露関係が悪化していることである。先述した横浜APEC首脳会議に合わせた日露首脳会談において、菅直人首相は、北方領土・国後島訪問についてメドベージェフ露大統領に「わが国の立場、日本国民の感情から受け入れられない」と抗議の意を表明した。それに対しメドベージェフ大統領は、日本側を牽制するような発言を返している。その後、ロシアのメディアは、北方領土問題についてロシアは1956年の日ソ共同宣言に基づいて日本と交渉(歯舞、色丹の2島引き渡し)することはないと報じている。この報道をきっかけに日本国内ではロシアへの反発を強めている。

三つ目に、米国との普天間基地移転問題が残っている。

中日関係の改善にはまだ長いステップを踏む

常識的に考えれば、内政外政問題が山積みしている中、外交上の問題を解決し、政権担当能力を国民に見せ付け、内閣支持率を高めるためには、日本政府は速やかに中日関係の改善に努めるべきなのである。だが、実際には中日関係の改善にはまだ長いステップを踏まなければならないようだ。

まず、日本政府は中日関係の改善に積極的な姿勢を示すべきだと本当に分かっているのだろうか?この度の中日関係悪化の根本的な原因は、日本が中国側の立場を考えず、釣魚島問題を粗略に扱ったからである。日本側は最終的に中国人船長を釈放したが、それまでのやり方が、中日間の信頼を損なう結果となってしまった。加えて、中国人船長が帰国した後も、「誤った判断」だとして釈放したことを批判する声が何度も報じられ、中日関係を更に悪化させることになった。このため、中日間の信頼回復に向けて日本側がより多くの努力を費やすべきなのである。

次に、日本の対中政策には2つの観点があり、その2つが相容れないことが挙げられる。中国は日本の最大の貿易相手国である。日本経済にとって中国はなくてはならない存在であることは誰もが認識しており、中日関係の改善を望む声が高まっている。これは、日中首脳会談が正式な形で実現できるか否かを注目する、ここ最近の日本政府やマスメディアの様子を見ていれば分かる。

もう一つの観点として、中国は強硬な態度で日本に圧力をかけ漁船衝突事件について譲歩させたとか、中国の日本に対する脅威が強まっているだとか、中国を牽制する何らかの方法を採るべきだとかの考えが、日本国内で主流になっていることである。日本の対中政策は長い間、この2つの観点を融合させたものであった。ただこれまでは前者の観点の方が強かっただけに過ぎない。(文=孫建紅)

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年12月14日

 

 

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