調印後に握手を交わす韓国の金星煥外交通商相(中央)、張シン森駐韓中国大使(右)、武藤正敏駐韓日本大使
中国、日本、韓国の政府代表は16日、『中日韓政府の3国間協力事務所の設立に関する合意』に調印した。この合意によると、中日韓は2011年に3国間協力事務所を設立する。このことは韓国メディアから「東北アジアの3つの近隣国にとって一里塚的意味のある出来事」と評価されている。
協力メカニズムの構築を推進
3国間協力事務所の設立は、昨年の中日韓首脳会議で初めて提起され、3国の指導者は、今年5月に韓国の済州島で行われた会談で協力事務所の設立に関する覚書に署名した。
中日韓首脳会議で、3国は2011年に韓国に3国間協力事務所を設立し、3国間協力の協議を支援し、協力事業の話し合いと実施に便宜を図り、協力に関する重要課題を検討し、3国間協力を全面的に促進、強化することで合意した。
3国間協力が始まってからこの10年で、17の閣僚級会議と50以上の交流・対話が行われた。3国が事務所を早急に設立することは3国の各分野の協力の調和をはかる上で有利となり、協力を高効率、規範的、秩序的に進めて、協力メカニズムを構築することは今後の全面的なパートナー関係の強化に有利となる。
3国の歴史上で初
韓国の報道によると、協力事務所は韓国仁川(インチョン)市の松島(ソンド)地区に設立され、大使級の外交官が最初の事務局長に就任する見通し。事務所は主に3国間協力の運営と管理への行政・技術面の支援提供、重要会議への出席と3国との連絡、新しい協力事業の開発、3国の委員会への協力事業に関する評価報告と業績報告の提出、3国間協力の重要問題の検討などを行う。
16日の調印式で、韓国の金星煥外交通商相は「調印したこの合意は中日韓3国の歴史上初めてで、3国間の協力レベルが大きく上昇したことを意味している」と語った。
韓国メディアは、「これは一里塚的な意味のある協議で、いまだに歴史やその他の要因により論争がある東アジアの3つの近隣国が調印した最初の協力条約だ」と、協力事務所の設立を高く評価している。
分析
特殊な時期、特殊な意義
中日韓の3国間協力事務所の設立について、清華大学国際問題研究所の劉江永教授は次のよう話す。
この協力メカニズムは地域の実務協力に有利となり、地域情勢が緊張状態にある中で特殊な意義がある。計画では3国間協力事務所を2011年にメカニズム構築のプラットフォームにするとしているが、このメカニズムは中日韓の3回の首脳会議でほぼ形成されており、その目的は3国の指導者が達した合意をより確実に実施することだ。これは中日韓の実務協力を進める上で大きな意義を持っている。
現在、東北アジア地域は緊張状態にあり、衝突が発生する恐れもある。こういった中でこのようなメカニズムを通して中日韓の交流や協力を深めることには特殊な意義がある。
中日韓3国は二国間や多国間でいくつかの問題があり、政治、安全、自由貿易区をめぐる話し合いにおいてもそれぞれの主張や考えがある。しかしそうした中でも3国間の経済依存度は高まり、国民も安定を望んでいる。そのため、調和、協力、安定は3国間関係の今後の方向であり、中日韓の3国間協力メカニズムを構築することはこれに大きく貢献することになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年12月17日
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