「環球時報」は12月10日から25日にかけ、中国の北京、上海、広州、武漢、重慶の市民を対象に「中国人が見る世界」と題した世論調査を行った。
中国の国際的地位に対する認知度はより慎重に
今回の調査では、中国の国際的地位に対する認知度がより慎重になっていることがわかる。「中国は世界的な強国になったか」という質問で、「はい」と答えた人はわずか12.4%だったのに対し、「いいえ」と答えた人は34.1%、「完全にそうではない」は52.8%、「わからない」は0.7%だった。4年前の調査と比べると、中国が世界的な強国だと見ている人の割合は大幅に低下、そうでないと見ている人は大幅に増加し、過去最高水準に達し、2008年より14ポイント上昇した。
復旦大学国際関係と公共事務学院の呉心伯副院長は、「2007年と08年はオリンピックなどの影響を受け、民衆の中国の国際的地位に対する評価は高くなった。2010年に中国と周辺国の間で起きた問題、例えば中米摩擦などの国際問題により、民衆は中国の国際的地位の向上にまだ多くの複雑なマイナス要因があることを感じた」と話す。
最も関心のある出来事は釣魚島漁船衝突事件
2010年は米国、日本などの国と中国の間で摩擦が深刻化した。「2010年の国際的出来事で最も印象深いこと」(複数回答可)では、「釣魚島漁船衝突事件による中日関係の低迷」を選択した人が最も多く、60.2%に達した。続いて、「米国が人民元切り上げに圧力をかける一方で、無制限に金をばら撒いた」が2位で56.2%、3位の「日米韓の西太平洋での大規模な軍事演習」と4位の「韓国の天安沈没事件と延坪島砲撃事件による朝鮮半島の不安定」も50%に迫り、それぞれ49.8%と48.2%だった。
中国外交学院戦略衝突管理研究センターの蘇浩主任は、「2010年は中国と周辺国の間で争いや不一致により不愉快な出来事が起きたが、調査結果を見ると、周辺国との関係について民衆の反応は落ち着いている。これは、中国人の大国としての意識を反映している。しかし、周辺国との関係が険悪になれば、中国もつらく、多くの外交リソースを消耗し、発展のためのリソースを失うことにもなる。そのため、民衆は周辺国との関係にさらに重視している。この調査結果は、中国の朝鮮半島における役目に対する期待を示している」と話す。
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