日本では、依然厳しい雇用情勢が続いているが、外国人労働者の数はますます増加傾向にある。厚生労動省がこのほど発表した「2010年外国人労働者雇用状況統計」によると、2010年10月の時点で、日本で働く外国人の総数は、前年同期比15.5%増の64万9982人に達した。国別で最も多いのは中国人で、2万7105人。中国語総合新聞「日本中文導報」が報じた。
産業別に見ると、外国人労働者が最も多い業界は製造業で、前年比15.6%増の25万9362人と、外国人労働者全体の約4割を占めた。第2位はサービス業の8万3764人。
出身国別では、トップは中国人(28万7105人)で前年比15.2%増。第2位はブラジル人(11万6363人)、第3位はフィリピン人(6万1710人)。雇用状況を地域別に見ると、東京都で働く外国人労働者が最も多く、15万4610人。第2位は愛知県(7万8723人)、第3位は静岡県(3万8802人)。
▽外国人マンパワーを活用し、海外業務開拓
厚生労動省が上場企業に対して実施した調査では、外国人を雇用する主な理由として、「海外業務の増加」、「外国語に堪能な従業員の必要性」が挙げられた。多数有名企業の今年の外国人採用計画に、このすう勢が反映されている。
著名カジュアルブランド「ユニクロ」を傘下にもつ株式会社ファーストリテイリングはこのほど、2012年に社員1300人を新規採用する計画を発表したが、このうち外国人は77%を占める。
ますます多くの企業が、多数の外国人採用計画を発表している。ソニー、東芝、日立など大型メーカーのほか、楽天のようなオンラインショッピングモールや通信関連企業においても、留学生の採用率が3倍に跳ね上がっている。
日本経団連の統計データによると、2009年度企業新規採用者のうち、外国人が占める割合は71.8%に達した。この数字は、2007年度では60.7%だった。
▽留学生が重要マンパワーに
今回の厚生労動省報告で、留学生が外国人労働者の重要戦力となっていることが明らかになった。日本政府は2007年10月、「外国人雇用状況報告制度」の実施をスタートさせた。同制度のスタートによって、外国人労働者数の実態や留学生の立場がより明確に示されることとなった。「2010年外国人労働者雇用状況統計」によると、日本で働く中国人28万7105人のうち、「専門職(技術職および人文知識・国際業務職)」に携わる人は17.2%、「特定活動」は32.6%、「技能実習」は3%。また、「身分による在留(永住、定住、配偶者)」は18.5%だった。また、「資格外活動(留学、就学)」で日本に住む中国人が、6万9179人(24.1%)もいた。
統計データによると、2010年末時点で、日本で学ぶ留学生14万人のうち、中国人学生は8万6千人。データによる試算では、中国人留学生の80%が、学びながら働いていることになる。
公共職業安定所によると、アルバイトに携わる外国人がますます増えており、留学生が卒業後、アルバイトしていた会社に就職するケースも多いという。日本の環境に慣れており、語学上でも有利な留学生を求める日本企業は、ますます増えている。中国業務拡張のために、留学生を雇用、育成し、時機が熟せば管理職に任命し、母国に派遣する計画を持っている企業もある。
「人民網日本語版」2011年2月10日
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