近年の日本の不景気は、新規大卒者の就職にも影響を及ぼしている。ところが、2011年初めの就職状況を見ると、留学生の就職は好調で、多くの日本企業は海外市場を開拓するため、在日留学生を雇用し始めている。日本新華僑報網が報じた。
日本の「河北新報」によると、日本の企業への就職を考える留学生を対象とした「外国人留学生のためのジョブ・フェア」が2月12日、宮城県仙台市青葉区の仙台国際センターで開かれた。日本国内の大学生は史上最悪の「就職氷河期」に直面しているものの、日本企業の海外での事業拡大に伴い、留学生の採用はピークを迎え、「売り手市場」の傾向が強まっている。
このフェアは、東北大大学院経済学研究科国際交流支援室が主催し、合同企業説明会には42社の企業が参加した。ホンダやパナソニックなどの大手企業は、新興国での事業拡大を目指しているため、来春卒業予定の留学生に目をつけている。
円高に伴い、愛知県のある自動車部品メーカーも海外事業の展開を計画しており、2年連続で説明会に参加した。担当者は、「現地採用は教育が難しく、日本の文化に理解ある留学生への期待は大きい」と話す。
大手企業だけでなく、東北地方の中小企業も海外進出に乗り出している。
今回初めて説明会に参加したある機械製造企業は、2~3年以内に中国の天津に合弁会社を設立することを計画している。担当者によると、同社は日本語で会話でき、現地で橋渡し役にもなれる理工系の中国人留学生を採用したい考えだ。
海外進出を検討するソフト開発のエム・エス・アイ(山形市)は、3人の中国台湾出身の留学生を採用することを決めた。同社の前盛直人経営企画室長は、「留学生は働く目的意識が日本人より高い。大学生全体の就職は厳しいが、留学生人気は自然な流れではないか」と見ている。
経済学研究科の末松和子准教授は、「企業ニーズの高まりは留学生の就職とってよいこと。政府も就職支援体制を整えるべきだ」との見方を示している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年2月14日
|