中国国家発展改革委員会対外経済研究所の張燕生所長は中国新聞網を訪れ、中国のGDPが日本を抜いたことなどホットな話題について解説、「中国は日本を抜いて世界第二の経済大国となった。このことは中国にとってやはり歴史的な進歩だといえる」と語った。解説の内容は次の通り。
歴史的、なぜこのように言うのか?それは中国の経済史をみてみるとわかる。例えばOECD(経済協力開発機構)のマディソン氏によれば、中国はかつて1820年にGDPが世界のGDPの33%を占め、世界一だった。しかし忘れてはならないのは、中国が世界一だった時代は封建と王権の全盛期で、実際に国家全体の発展からみると、その時代にはすでに危機的状況が潜んでいた。例えば1840年の2回のアヘン戦争、その後の日清戦争、八カ国連合軍などを含めた一連の戦争により1820年或いは1840年以降、中国は実際に大きく世界に後れてきた。
新中国が成立した後の1950年の1人当たりのGDPは1890年、つまり新中国が成立する60年前と同じ程度で、中国の1人当たりのGDPはまったく進歩していなかった。一方、この時代、1870年から1913年の第一次経済グローバル化、1950年から1973年の第二次経済グローバル化によって世界は大きな変革を経験した。
中国は過去100年で2回のグローバル化の時期を逃してしまったのだ。こうした角度から見ると、改革開放からわずか30年で日本を抜いてGDPで世界2位となったことは、歴史的な進歩といえる。中国は90年代の経済のグローバル化を確実にとらえ、改革開放によって現代経済のグローバル化の奇跡をつかみ、中華民族が平和的に発展する重要な戦略的チャンスが到来したということだ。
しかし、このことをあまり楽観視し過ぎてはならない。というのは、中国のGDP、つまり経済全体の規模は日本を抜いたが、1人当たりの平均GDPではまだ日本の10分の1に過ぎないからだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年2月15日
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