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2030年 日本は「エネルギー輸出国」に

文=日本問題コラムニスト 陳言

数年前、取材の時に良く日本人が言っていたのは「日本はエネルギーの少ない国である。我々は常に省エネルギーやその技術の開発に力を入れなくてはいけない」。ここ2,3年、日本の業界関係者が言う事は少し変わってきているようだ。「我々はエネルギー企業へ転換していくつもりだ。日本はエネルギーの輸出国に成長するだろう」。

このような変化が起きたのは、日本人が矛盾しているわけではなく、近年のエネルギー産業が著しい発展を遂げ、もう昔の姿は見る影もなくなっているからだ。エネルギー不足の日本は遠く未来を見越していたのだ。

「我々は世界で2番目にシリコンを多く製造している会社だ。我々のシリコンを使用すれば、太陽電池を簡単に製造することが出来る」と株式会社SUMCOの社長・田口洋一氏は言う。そして、世界一のシリコン製造企業は、これまた日本の信越化学工業だ。太陽電池は主に、単結晶シリコンと多結晶シリコンによって作られる。シリコンを輸出することはつまりは、エネルギーを輸出することなのである。

シリコン生産の最高峰

資料写真:米国のシリコン生産工場

日本は台風の多い国であり、1年に20回以上来るときもある。そのため、風力発電は日本ではリスクが高い。また、日本が強いのは工業分野での生産能力であり、太陽エネルギーに白羽の矢が立ったのは、エネルギー戦略のごく自然な道である。現在、太陽電池の製造から言えば、日本の総生産量はまだ中国には及ばず、世界最大の生産工場は中国にある。しかし、忘れてはいけないのは、原材料であるシリコンの最大の生産工場は日本だということだ。日本の企業が太陽電池そのものの製造に力を入れないのは、利益が少ないからなのだ。シリコンの生産チェーンの最高峰に君臨する日本、中国企業がシリコンで日本が独占している地位を狙うのは簡単なことではないようだ。

肝心なのは蓄電池技術

新エネルギーの開発を国家戦略とした日本では、多くの鋭い企業が既に蓄電池技術の開発に注目し始めている。風力発電も太陽電池もバイオエネルギーもエネルギー供給が不安定で、電力供給の主戦力にはなれないため、結局は蓄電池に頼ることになるのだ。

 

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