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「塞外の江南」寧夏紀行④
民族・宗教編寧夏のイスラム文化を映す銀川南関清真大寺

孫雅甜=文、写真

午後の金色の陽光が差し込む静かな寺院、敷地中央の噴水が空中に無数の細い水柱を立てている。敷地内の静かな空間には、意外にもいくらかの親しみと活気を感じることができる。この白い壁と緑のドームを持つ、イスラム建築様式の特色が明らかな寺院こそ、銀川南関清真大寺(モスク)だ。

モスクはイスラム教徒が礼拝、宣教、祝祭、宗教学習などの活動を行う中心的な場所だ。このモスクは明代末から清代初めにかけて建設され、1953年の拡張建設を経て銀川市エリアにある7つのモスクの中でも最も大きなものとなった。もともとの寺院は中国伝統の古典建築様式で、1981年の再建時にアラブ建築様式に改められた。以前は、寧夏回族自治区のランドマーク的建築物だったが、今でも銀川市の重要な観光スポットの1つとなっており、毎日多くのムスリム(イスラム教徒)が礼拝に訪れる。寺院内の大礼拝堂は長さ、幅ともに約21㍍、1000人が礼拝を行うことができる広さだ。

寺院にはまた専門にイスラム文化を紹介する部屋が設けられている。回族の女性学芸員・馬さんは、ここで行われる礼拝について「イスラム教を信奉する回族の人々は、毎日メッカの方向に向かい5回の祈祷を行います。明けがたから日の出前、正午から太陽が西に傾くまで、夕方から日没まで、日没後、就寝前の5回です」と観光客に説明している。

学芸員の馬さん 銀川の街角でよく見られる鮮やかな頭巾を巻いた回族の娘

 

この日訪れたのは、ちょうど2回目の礼拝の時間だった。礼拝のメロディーが鳴り響き、信徒たちは続々と静かに礼拝堂にやって来ると、靴を脱ぎ、靴を外に向けてそろえ入場していった。外に立って見ていると、遠く背中を向けた人々が、ひざまずいたり立ち上がったりして、敬けんに礼拝を行う様子が眺められた。

 

【ミニ情報】寧夏回族とモスク

回族は中国でも最も広範囲に分布する少数民族で、その先祖は主に13世紀にモンゴルの大遠征の時に東に移動してきた「回回人」と、唐・宋代に中国東南部沿海地区にやって来たイスラム教徒の「藩客」で、中国語の標準語が回族の共通言語となっている。寧夏は中国回族が集まり住む場所で、自治区内には218万人(2008年)の回族がおり、3380余りのモスクがある。寧夏で有名なモスクとしては、ほかに同心清真大寺がある。これは明代の建設で、中国伝統の古典建築様式を持ち、明・清の時代に3度の大きな改修が行われている。

 

人民中国インターネット版 2011年4月25日

 

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