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資料写真:ディスカッションに参加する加藤嘉一さん |
「中国で最も人気のある日本人」と言われている加藤嘉一さんが、自身の中国での8年間にわたる生活での経験や感じた事を綴った『中国のロジック』。そこでは、第三者と言う中立的な立場で見た中国の人々が当たり前だと感じている日常や出来事が語られており、このような出来事を解決するための「処方箋」が示している。その「処方箋」が中国にどれだけ役に立つのかはさて置き、加藤嘉一さんの勇気ある指摘に人々は感心した。コラムニストと時事評論家として活躍する加藤嘉一さんは、正直かつ鋭い視点で核心を突く。一方、中日の民間交流では、加藤さんは常に橋渡しとして活動してきた。中国と日本の関係は、確かに少し複雑で敏感で、両国の人々の心にも入り混じった思いがある。一人の日本人として「ゼロ」から始め、「部外者」として中国を理解する「中国通」となった加藤さんの視点は独特だ。
著書『中国のロジック』で、加藤さんは中立的な立場から中日両国の現状と向き合い、中国の政治・経済・生活・文化などに潜む現象を見つめ、分析することを心がけた。これらの現象は中国の人々にとっては珍しくもなんともないことであり、深く考えたこともないことだ。「存在には妥当な理由がある」、どんなロジックにも、それが存在する根拠が必ずあり、中国のロジックもまたそうである。『中国のロジック』では、加藤さんは多くの問題に対し、鋭い批評と考えを述べており、問題の核心を指摘している。ある程度「敏感」な話題について言及しているものもある。加藤さんは「一観察者」という視線で、中国社会の言論の「ぎりぎりのライン」に挑戦しているのだ。
『中国のロジック』は問題のポイントを突いており、「受け入れ難い」と感じるようなことも言っている。どうしてそのようにするのだろうか。なぜなら、我々はこれらの問題を作った張本人であり、当事者なのだ。加藤さんは著書には、「中国人の信じられない行動トップ10」という一説があるが、中国人自身はさも当たり前のように見ている、或いはまるで気にしていないが、それではまかり通らない「ロジック」について語っている。一人の中国人として、我々はもしかすると加藤さんが『中国のロジック』で言っているような「信じられない」行動をして、「ロジック」を押し通している当事者であるかもしれない。「良薬は口に苦し」と言うように、加藤さんが日本人である事はさて置き、我々は自分たちの行動や問題解決の方法を見直す必要がある。
加藤さん自身を好きになる必要はない。ただ、『中国のロジック』で示された問題に関しては、中国人として、「見てみぬ振りをし、理解しようとしない。自分の行動を見直すことなく、改めない」という態度ではいけない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月10日
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