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日本外相:中日間に迅速な連絡の可能な危機管理メカニズムの構築を

 

松本剛明外相は「タカ派」と呼ばれていた前原誠司前外相が外国人からの政治献金問題で3月6日に辞任を表明したことで、急遽副外相からの昇格が決まった。菅内閣での閣僚の中途任命は4人目だった。松本外相は民主党の新世代の政治家で、日本国内では「国会の理性派」と評されている。「環球時報」はこのほど松本外相に書面による単独インタビューを行った。

中日間に迅速な連絡の可能な危機管理メカニズムの構築を

----大臣は東日本大震災前夜に就任された。当初、日本の対中政策をどうご覧になっていたか。地震はこれに影響を及ぼしたか。

私は3月9日に外務大臣就任を拝命した。私は貴国は一衣帯水の重要な隣国であり、日中関係は日中両国のみならず、地域および国際社会にとっても重要だと考えている。わが国は大局に立ち、様々な分野で貴国との具体的協力を推進することで、戦略的互恵関係を拡充している。私の大臣就任から2日後に東日本大震災が発生した。地震発生後、胡錦濤主席は日本大使館を訪れて弔意を表し、温家宝総理や楊潔チ外相など貴国政府閣僚および多くの国民が次々に見舞いの意を表してくれた。

このほか、貴国は国際救援隊を派遣し、救援物資を提供してくれたほか、民間からも多額の義援金が寄せられた。このことで私は日中の長年の友好関係を改めて思い起こした。ここに私は日本政府と日本国民を代表して心からの感謝の意を表す。特に津波で甚大な被害を受けた岩手県大船渡市で、貴国の救援隊は降雪と厳寒の中、連日全力を尽くして捜索・救援活動にあたった。ここに私は救援隊員の一人一人に心からの敬意を表したい。私たちは貴国の心温まる援助と多くの激励を銘記する。さらに戦略的互恵関係を拡充し、双方の国民感情を改善するため、次の3つの面で取り組み、具体的成果をしっかりと積み重ねていく。第1に防災、原子力の安全、環境分野の協力。第2に東中国海を「平和・協力・友好の海」にするための共同努力。第3に人的・文化交流の一層の強化だ。

中国とともに戦略的互恵関係を深めていきたい

----今回の地震で中国政府・民間は日本に援助を行った。環球時報も日本への援助を民間に呼びかける中国人学者100人のアピール文を掲載した。これを中日関係改善の契機と捉える外国メディアもある。大臣はこうした見方に同意されるか。

貴国からの援助に多くの日本国民が深く感謝している。地震発生から数日後、貴紙は日本への援助を呼びかける著名な学者100人の建議書を掲載した。影響力あるオピニオンリーダー多数によるこうしたメッセージは人々の心を温め、幅広く伝わった。日中関係にプラスの影響を与えるものだ。私自身も非常に注目している。この建議書は日本国内でも非常に大きな反響を呼んだ。

今年はちょうど辛亥革命100周年にあたり、来年は日中国交正常化40周年だ。日中関係においていずれも重要な年だ。このたびの地震における貴国からの援助と温かい友情に基づき、こうした重要な年を機に、日中両国の悠久の交流と深い友情の歴史を改めて振り返り、未来に向い、戦略的互恵関係の拡充に全力で取り組み、双方の国民感情を改善したい。

----近年来、中日両国間には多くの摩擦が生じている。こうした状況はどうすれば変えられるとお考えか。

日中貿易の総額は昨年3019億ドルに達し、人員往来は延べ約539万人に達した。これは両国が経済、人員交流を中心に、いずれからも切り離せない関係にあることを示している。日中関係がこのように緊密化した以上、時に摩擦が生じるのも不思議なことではない。大切なのは、摩擦が日中関係の大局に影響を与えないようにすることだ。したがって不測の事態に対処するため、両国間の速やかな連絡の可能な危機管理メカニズムの重層的な構築が喫緊の課題だ。例えば日中海難捜索・救助協力の推進、防衛当局間の海上連絡メカニズムの構築などだ。

このほか、中長期的に見ると青少年間の相互理解、相互交流が重要だ。日中両国政府はこの5年で約2万人の青少年相互訪問を行い、相手国に親近感を抱く各種の交流を進めた。観光や留学の一層の促進、伝統文化からアニメ・漫画まで各分野の文化交流の強化などだ。

これと関連して、昨年5月の日中首脳会談で合意した「映画・テレビウィーク」「アニメ・漫画フェスティバル」も間もなく開催される。これらの活動が非常に大きな効果をもたらすことを期待している。

中国からの援助を中日関係改善の契機に

----外交面では、日本と中国および米国との距離は興味深い話題だ。民主党政権は以前、日米中の「正三角形」外交を提唱していたが、その後口にしていない。大臣はこの問題についてどうお考えか。

米国はわが国と基本的価値観や戦略的利益を共有する同盟国だ。日米同盟は一貫して日本の外交および安全保障の基軸であり、アジア太平洋地域さらには世界の安定と繁栄の公共財産だ。今後、日米両国は21世紀に合う形で日米同盟を一層深化・発展させると同時に、アジア太平洋地域およびグローバルな問題について引き続き緊密に協議、協力していく。日本と中国は一衣帯水の重要な隣国であり、日中関係は両国だけでなく、地域および国際社会にとっても重要だ。今年はちょうど辛亥革命100周年にあたり、来年は日中国交正常化40周年を迎える。これにあたり、私たちは貴国と共にアジア太平洋地域の平和と繁栄および経済協力を推進し、大局に立って戦略的互恵関係を深めていきたい。

 

 「人民網日本語版」2011年5月12日

 

 

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