「LOUIS VUITTON – VOYAGES」と銘打たれたルイヴィトン展が、31日、中国国家博物館で開幕した。この展示について論争が巻き起こっている。この展示会は、3ヶ月という長い期間、国家博物館の4つの展示会場を占領する。特別事前参観に訪れた人の感想は「目がくらむような宝石ばかりだった。」とのことだ。平日の参観者はあまり多くないものの、場内には警備員が展示物に近づきすぎたり、接触しないように常時目を光らせており、その警備は重要文物よりも厳しいほどだ。
国家博物館の陳副館長は、参観者の「LV」展示会に対する好奇心はよくわかっており、それを踏まえて博物館での初めてのブランドデザイン展を開催したのだという。ブランドの展示を行う際には、他の展示会よりもより厳格に選択を行った。その基準は歴史文物や芸術品よりも厳しいほどだ。陳副館長はこの機会を通じて中国の文化クリエイティブ産業を啓発したいという。
ルイヴィトン責任者「資金はかかるが、価値のあるもの」
ネットユーザー「禅意」さんは、自分の怒りを隠そうともせず「この企画は国家博物館としての立場を失くす所業」「開館間もない国立の博物館としては、中華文明の展示をするのがふさわしい。軽薄にも世界的なぜいたく品のブランドに身売りするとはなにごとか!」また、ネットユーザーたちに向けて「大英博物館、ルーブル宮殿、メトロポリタン美術館と交流特別展をやって、学術文化を学ぼうじゃないか。消費文化は不要だ!」と呼びかけている。
中国文化遺産研究所の張前院長は強烈な反対意見を表明している。「滑稽というしかない。中華五千年の文化には展示すべき文物がたくさんあるというのに、ただの商業ブランドを威風堂々たる国立の博物館に陳列するとは。」張前院長はこの展示会は博物館の機能から逸脱するもので、公益性のある事業体である国家博物館には人々を教導し、教育する機能があるべきだという。
この展示の企画者である王泊乔さんは取材に答え、違う観点を指摘する。彼は別の贅沢ブランド品であるカルティエを例に取り、パリの王宮博物館、メトロポリタン、ロンドン大英博物館、故宮博物院、上海博物館での巡回展示の経験を話す。王さんは、国家博物院で展示できたことは芸術とビジネスの素晴らしい融合であり、人々に美の享受を提供できたと信じているという。だが、彼のいうテーマは確かにゆっくり考える価値がある。特に開館間もない国家博物館としては「国家博物館は改修前、中国歴史博物館だった。厳粛で重厚な感じを与えていたものだ。今回のLV展示会を呼び込んだことで、博物館のイメージは新鮮で快活、新時代の息吹、そして包容力を感じるものとなった。」ともいえる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年6月1日
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