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野村万作氏、北京で狂言を披露

 

講演を行っている野村万作氏

日本の「人間国宝」といわれる狂言師・野村万作氏が14日、北京外国語大学日本学研究センターで日本の伝統芸能である狂言について講演を行った。

狂言を観賞している来場者

 

狂言そのものを知っている中国人は大勢にいないが、野村万作氏は講演を通じて狂言を紹介し、来場者の人々は日本の伝統的な文化をより理解することができた。その後、野村万作氏は中国の初心者にわかりやすい演目として「蝸牛」(かたつむり)を選び、弟子の深田博治氏、高野和憲氏とともに狂言を披露した。多くの来場者ははじめて狂言を鑑賞した人ばかりだったが、それぞれの役柄の豊かなパフォーマンスは新鮮さを感じさせ、時に表現の面白さに笑いの渦に巻き込まれていた。

弟子の深田博治氏

弟子の高野和憲氏

中国では京劇のような伝統的な文化に対する若者の興味が減退しつつあることについて、野村万作氏はインタビューの際に、「どこの国でもその国の古いものに対して、退屈とか、古臭いという感覚になってしまう。だから、若い人たちはそうじゃなくて、古いものの中には新しさがあるはずだから、そこを新鮮な目で見つけることが大切だ。また、個人としては、少しでも中国の若者に日本の伝統的な文化をわかってほしい、そして、日本の若者にも中国の伝統的な文化を知ってほしいという気持ちが強い。何百年もの間に一度は忘れ去られた自国の伝統的な文化を大事にしたい」と述べた。

演目の「蝸牛」を演じる様子

この講演は北京外国語大学日本研究センターが主催し、日本国際交流基金が協力したもので、北京外国語大学のほか、清華大学、北京大学、中国人民大学、北京言語大学など10校あまりの学生たちが参加した。

 

「中国国際放送局 日本語部」より 2011年6月15日

 

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