3月11日の東日本大震災以降、日本の各方面の復興は順調に行われている。中国は6月から訪日旅行を再開し、新京報の記者である筆者も6月5日-9日の日程で日本の関西地区を訪れる旅行に参加した。実際に参加してみて、今はまさに日本を旅行する絶好のチャンスだと実感した。ツアー料金は安く旅行者も少ないため、深遠なる日本をありのままに感じられる。
山の中でのひととき
最初の訪問地は、日本の古都・京都。京都は794年の遷都から1868年まで約1000年余りに渡って経済・文化の中心であり続け、日本人の心の故郷とされている。ある涼しい夏の夜、筆者らは京都嵐山保津川の「星のや 京都」に投宿した。ホテルに入る前に、まず京都の名所「渡月橋」で専用の渡し船に乗り、10分ほどでホテルに到着した。
同ホテルは嵐山の渓谷のほとりに建っており、客室はすべてプライベートヴィラで、各部屋の寝室には、川を望む巨大な窓があつらえられている。対岸には青々とした渓谷が広がり、眼下には川がとうとうと流れ、耳にはせせらぎの音や虫の鳴く声が絶えず届き、世俗から離れた感覚を覚えた。また宿泊者に心から山水の趣を感じてもらいたいというホテル側の思いから、ホテルにはテレビが一台もなく、客室内には良質の音響設備が整えられていて、ゆっくりと音楽を聴くことができる。さらにホテル全域で無線LANが利用できるため、筆者らのような中国から来たブログ好きも、つぶやきや記事を好きなだけ更新できた。
昼間、また船に乗って外出した。ホテル内の木々はどれも美しく、自然の草花と手入れの行き届いた庭とが調和している。日本人の庭造りに対する造詣の深さには驚嘆の念を禁じ得ない。さらに船で川を上ると、川に潜って食事中の水鳥が驚いて飛ぶ姿や川辺を跳ね回る猿の一群を見ることもできる。彼らはここで人と共生しており、静謐の中に無限の躍動感を添えている。ここを訪問するのに最適な時期は、桜が満開の3-4月と、紅葉で谷が赤く染まる10月だという。これらの季節に幸運にもここを訪問できたなら、人生の中でも美の極致と言える体験ができるはずだ。
最後は神戸牛
神戸牛を食べなければ、神戸を訪れたとは言えない。筆者らは神戸港にあるシェラトンホテルで、幸運にも正統な神戸牛ステーキを味わうことができた。わずか手のひらサイズのこの神戸牛のために、神戸を訪れるという人もいる一品だ。
衆知のとおり、神戸牛は音楽を聞いたり、ビールを飲んだり、マッサージを受けたりして育てられている。神戸牛は和牛の一種だが、すべての日本の牛肉が神戸牛を名乗れるわけではない。日本人の牛肉の格付けはすさまじい。まず牛肉をA、B、Cに大別し、それぞれをさらに1-5等級に分類している。さらに、これとは別にB.M.Sランク (霜降の度合)という判定基準があり、12段階に区分されている。最高級の肉は、A5クラスのB.M.S- No.12の肉というわけだ。つまり、日本人は牛肉を120等級に分類していることになり、この牛肉に対する愛着を理解するには相当の時間を要するだろう。
筆者らがこの日食した神戸牛は、A4のB.M.S- No.6前後だと聞いた。中の上であって、最高級ではないが、口の中でとろけるような感覚を味わうことができた。
「人民網日本語版」2011年6月22日
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