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復興中の日本を訪ねる旅<二>

 

センター内に設置された模型。震災の惨状をありありと伝える
▽阪神・淡路大震災記念・人と防災未来センター

神戸市中央区にある「阪神・淡路大震災記念・人と防災未来センター」は、近隣の小・中学生が校外学習に必ず訪れる場所だ。今年3月の東日本大震災発生をきっかけに、センターには再び多くの観光客が訪れるようになった。

センターには、地震が発生した5時46分で止まった時計があちらこちらに展示されており、1995年1月17日午前5時46分という時を人々の心に刻みつけている。マグニチュード(M)7.3の直下型地震が大都市を直撃したため、6434人の犠牲者と巨大な経済損失がもたらされた。震災復興期に着工した同センターは、震災の記憶を風化させないという以上に、防災・救援に関する知識を人々に伝えることを目的としている。センターの名称に「人と防災未来」という言葉が加えられているのはそのためだ。

センターに入ると、まず「1.17シアター」で、阪神大震災発生時の状況を体験できる。ドーム型劇場の効果と臨場感溢れる音響・照明効果によって、地震発生と同時に建物が崩壊する様子が再現され、鑑賞していた小学生からはたびたび、驚きの声や叫び声が上がった。その後、復興再建のドキュメンタリー映画が上映されたが、外国人観光客には同時通訳機による解説サービスが用意されていた。ドキュメンタリー映画は、震災で姉を失ったある女の子の立場から、震災がもたらした苦痛や全国民が心を合わせて郷里の再建に励む様子を詳しく描いた作品で、都市の負った傷跡や被災者の心の傷が癒されていく様子があますところなく表現されており、多くの人の涙を誘っている。

防災・減災体験フロアでは、センター職員が暴雨、洪水、地震など各種災害の予防に関する知識をゲーム形式で紹介している。震災を振り返るフロアでは、多くの小・中学生が真剣な表情で展示物を見学したり、インターネットで資料を検索したりしていた。これは学校から出された課題の一つだ。

職員は「東日本大震災の発生を受け、東日本エリアにもこのような震災記念館を建設することが検討されている。核災害対応教育に関する内容も多く盛り込まれることになるだろう」と話した。

▽大徳寺の早朝座禅

江戸時代(西暦1319年)に建立された大徳寺は、日本のおける代表的な禅文化の中心地。「とんちの一休さん」で有名な一休大師が、数十年間各地を巡って布教活動を行った後、80歳という高齢で同寺の住職になり、再建した。同寺の座禅は観光客向けに一般開放されているものではないが、信仰のあつい人が仕事や私生活で困難にぶつかったときにここで座禅をし、心を清めて心機一転を図ることもあるのだという。

住職の指導のもと、早朝座禅を行う。胸を開いて腰をまっすぐにのばし、あぐらをかいて、呼吸を整え、目を閉じて精神集中し、頭の中の雑念を追い払って無心に返る。

座禅終了後は、茶道だ。住職の客に一服の抹茶をたて、客は決まったやり方で礼をして一気に飲み干す。その後、空っぽになった茶碗の側面や底を観賞する。

■ 北京錦江国際旅行社・李紹営総経理に聞く 日本観光の醍醐味

「日本観光は、内容にこだわるハイエンド観光客に最適」

日本を訪れる中国人団体観光ツアーの多くは、表面だけをひととおり見て歩くタイプのツアーだ。バスに乗ると眠り、降りると写真を撮り、予定コースを回った後は、疲れ以外何も残っていない。弊社は、東日本大震災後、日本への観光客数が激減した時期を利用して、より内容の深い観光ツアーを打ち出した。経済力を備えた中国人客に日本の細かい部分まで見てもらい、日本文化の奥深さを実体験してもらうのがその狙いだ。関東地方は、このようなツアーにぴったりのエリアといえる。まず、震災による破壊を免れ、「食事・宿泊・交通」の全てにおいて、極めて安全で安心できる。次に、京都のような古い都だ。ここでは、日本文化のルーツを体験することができる。また「星のや」のような最高級旅館、大徳寺や清水寺などの有名なお寺、最も伝統的な日本食もある。京都は、ハイエンド客が訪れてもまず失望することはない素晴らしい観光地だ。

 

 「人民網日本語版」2011年6月23日

 

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