前島副総経理によると、同社は設立されてすぐに販売先を中国に絞るとの方針を定め、契約書にも関連の約款を設けた。設立当時の調査によると、中国では、特に大・中都市では、食生活に関して「安全」「安心」「高品質」を求める消費者がますます増えていることがわかった。同公司の目標は中国のハイエンド消費層だ。
ある統計によると、中国のハイエンド消費層が人口全体に占める割合は3-5%で、5千万から6千万人をカバーする大市場だといえる。
前島副総経理によると、中国人の生活レベル向上に伴い、同公司の製品を購入する人は今後ますます増えるとみられる。現在、同公司の牛乳は北京、上海、山東の3市場でしか売られていないが、販売量は毎月20%のペースで急速に増加している。
統計データによると、07年にメラミン事件が発生すると、国産牛乳が敬遠されるようになり、輸入乳製品が再び市場の主導権を奪い返した。中商流通生産力促進センターの分析によると、同事件以後、輸入ブランドが一線都市と二線都市で80%のシェアを占めるようになったという。こうした背景の下で、同公司のような外資系企業は国産牛乳が「譲渡」した市場のパイの分割をスタートさせている。
外資系企業が中国で栽培をすることについて、専門家の中には懸念を表する人もおり、外資系企業の土地借用をめぐる政策の改善を待つ人もいる。
山東社会科学院省情総合研究センターの秦慶武主任(元山東社会科学院農村経済研究所所長)によると、多国籍企業は「販売業者」から「農場主」に変わり、今後は中国農業の伝統的栽培モデルや組織モデルに強い衝撃を与えることが予想されるという。
「人民網日本語版」2011年7月12日
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