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今も残る誤解を解くために

シンポジウム――「中国に真実の日本を伝える」

文・写真=東京支局

7月9日、東京中国文化センターで李長声さんを中心とした在日中国人作家を迎え、シンポジウムが行われた。「中国に真実の日本を伝える」をテーマとしたこのシンポジウムでは、李長声さんと日本新華僑報編集長蔣豊さんと対談を行い、評論家莫邦富さんらがコメントを発表、鋭い見解が続々と示された。

「中国に真実の日本を伝える」というテーマを巡り、対談する李さんと蔣さん

「在日中国人作家の作品には一つの特徴があります。それは中国人の日本に対する誤解を解明することです。李さんの作品はその特徴がはっきりしていて、一貫して等身大の日本を紹介してきました。在日中国人作家はどんな形で、その誤解をより多く解けるのでしょうか?」という蔣さんの質問に対して、李さんは次のように述べた。

「中国人は日本に対する誤解をたくさん持っています。以前もありましたが、今もあります。現在、日本へ観光に来る中国人が増えており、中国に帰るとネットで日本に関することをたくさん投稿していますが、間違いが多いのです。例えば、ある観光客は、歌舞伎座が立ち退きを迫られていると投稿しましたが、それは『立ち退き』ではなく『改装』で、まったく別のことです。ふさわしくない例かもしれないですが、このような裏付けのないネット投稿は中国人にもっと多くの新しい誤解を招きます」

李さんのサインを求める参加者たち

「大ざっぱに物事の表面だけを見ることは作家がやるべきではありません。書きたいことについて、真剣に勉強し、真面目に考えてから書いた方がいいと思います。分からないことを紹介するのは誤解を招くことにしかならないからです。作家は、責任をもって書かなければならないと思います」

莫邦富さんや姜建強さん、張石さん、孫秀萍さん、王東さんなど、会場を訪れた約80名の在日中国人評論家・作家・マスコミ関係者たちも実体験を通じて、それぞれの視点から活発な意見交換を行った。

「中国に真実の日本を伝える」には、マスコミの活躍も必要

「年間百万人以上の中国人が日本を訪れるようなことは、過去にない出来事です。日本を知るために、在日中国人作家たちが深く入り込んで、的確に観察することは重要です。その一方、一般の中国人たちが日本を自ら体得することも欠かしてはなりません」と莫さんはコメントした。

シンポジウムの後、昨年9月に『哈、日本』を発表した李長声さんら在日中国人作家によるサイン会も行われた。

 

人民中国インターネット版 2011年7月13日

 

 

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