中日両国はその経済の相互作用から競争よりも協力しなければならない関係にある。環境協力により深く関わる資源開発においても、中日両国の協力が期待されている。新華僑報が21日、伝えた。
7月に入って暑さが増すにともない、中日の海洋資源探査競争に関する報道に日本のメディアが熱を上げるようになった。
日本の主流メディアは今月4日、東京大学の研究チームが太平洋中部と東南部の海底にレアアース(希土類)を高濃度で含む泥が大量に存在することを発見したと相次ぎ報道。この発見にほとんどのメディアがかなりの期待を寄せ、開発に成功すれば、中国への依存から逃れられるとした。
中国の新型有人潜水艦「蛟竜」
その数日後、今度は中国の新型有人潜水艦「蛟竜」に焦点を当て、中国が展開している遠洋・深海調査について、日本のメディアは「中国は海底に賭けている」、「深海の資源やエネルギーに対する野心を少しも隠さない」「蛟竜は中国軍と国家安全保障機構に協力して重要な任務を行う」といった扇動的な言葉で評価。あたかも中国と日本の間で海洋資源、特に深海資源をめぐる競争が始まろうとしているような表現を使った。
◇深海資源の競争が始まる
資源が乏しい島国、日本は海洋発展戦略を早くから確立。近年では「海洋国家論」が流行している。その重点は積極的に海洋に進出する一方、大陸国家の海洋への進出を抑制すること。そのため日本は独自に深海探査機「うらしま」と海洋探査機「ちきゅう」を開発するばかりでなく、巨額を投じてノルウェーから3D海底探査船を購入した。ハード面で海洋探査能力を最大限高めただけでなく、ソフト面でも海洋開発に対する支援を強化している。経団連が「海洋と日本―21世紀の海洋政策への提言」を提出、国会で「海洋基本法」が採択、政府が海洋開発の全体戦略を制定、内閣に特設機構を設置、監督を強化するなど、政策・法律・管理を通じて「日本の海洋大型船」を護衛している。
世界で最も急成長している新興経済国、中国は資源に対する需要が日増しに逼迫。海洋資源の探査・開発では遅れを取っているものの、「国を挙げた体制」の下、猛スピードで追い上げ、この数年で遠洋探査船や海洋研究基地を建設したり、地球資源探査衛星を打ち上げるなど海洋への歩みを加速している。
中日間の海洋資源開発競争と資源争奪戦は免れないだろう。
◇協力が大きな方向性に
中国の新型有人潜水艦「蛟竜」
しかし、中国と日本という歴史的、文化的つながりの深い2つの国を切り離すことはできない。協力が大きな方向性となることを歴史と経験は教えてくれる。中国両国の経済面で競争よりも協力しなければならない関係にある。中日は環境協力においてよい経験があり、大きな成果をあげている。環境協力により深く関わる資源開発においても、両国の協力が期待されている。
これまで、「持続可能で健全な発展」が世界各国の一般的な発展理論だった。中でも、地球上の限りある資源をいかに計画的かつ合理的に開発・利用し、これまでの勝手な略奪式の採掘と争奪を断ち切るかが鍵をにぎっている。
世界で経済力と影響力がある国として、また長い歴史と文化のつながりがある「一衣帯水」の隣国として、両国は環境保護と資源開発において協力を強化し、他国の協力の見本となるよう協力を通じて成果を出し、人類の生存と発展に貢献しなければならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年7月25日
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