多くの日本人にとって、修学旅行はかけがえのない思い出の一つだ。旅行中に、大切な親友ができたり、大切なものが何かが見えてくる。日本新華僑報が2日、伝えた。
1946年に始まった修学旅行は日本の学校の特色ある行事の一つで、今や日本の文化の一部になっている。08年の統計によると、修学旅行を実施した高校は94.1%、中学校は97%、小学校は93.6%。普段と違った環境で見聞を広め、自然とふれあい、集団生活を経験することで、体力や意志が鍛えられるといわれる。
受験教育の下で、中国の子どもたちは一日中勉強を強いられ、体力も視力も落ちている。近年、中国の経済水準は向上し、多くの地域で修学旅行を実施できる条件が備わった。修学旅行は日本だけの特権ではない。数十年の発展を通じて、日本の修学旅行の経験は中国に何か啓発を与えてくれるかもしれない。
まず、修学旅行を学校教育体系の中に組み入れる。修学旅行は准公共商品で、他の旅行商品との大きな違いは、その最終目的が教育にあり、生徒の総合的な素養、総合的な能力を高めることにある。この点で、経済利益を最大目的とする観光市場と協調が難しい。そのため修学旅行は市場運営に頼るのではなく、政府による一定方向の指導と政策的支持が必要となる。21世紀はグローバル化、知的経済の時代といわれる。国際的な高いレベルの人材を育成し、知識の詰め込みだけに重点を置く学校教育の不足を補うためにも、日本のように、政府が行政命令を下す形で修学旅行を学校教育の重要な一環とする必要があるだろう。
次に、専門の修学旅行管理団体を設立する。修学旅行をうまく行うためには政府の政策・法規以外に、専門団体による細かい管理、具体的な監督・指導が必要となる。日本の財団法人、全国修学旅行研究協会がそのいい例だ。中国もこのような研究協会を設立することができる。同団体は関係者を集めて修学旅行に関する研究のほか、定期的に調査・統計を行い、社会に情報コンサルティングサービスを提供、市場化された科学的な管理を行うなど、学校、市場、政府部門の間の架け橋となっている。
最後に、旅行会社は時代のニーズに適応し、多彩な修学旅行商品を開発する。中国の修学旅行はまだ市場が成熟していない。日本のような整備された実施制度がないだけでなく、観光部門が子どもに適した修学旅行商品を大規模に開発していないだめでもある。中国の修学旅行商品は「有名校ツアー」が中心で、まだ比較的レベルの低い観光旅行に留まっている。政府部門の指導がなく、すべて市場任せになり、修学旅行が普通の観光旅行と化し、教育的意義を喪失している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年8月3日
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