馬島由佳子=文・写真
20世紀の中国木版画を代表する版画家、古元氏の作品展が8月7日から19日まで、北京市の今日美術館2号館(朝陽区百子湾路32号)で開催されている。
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古元氏 |
古元氏(1919-1996)は、1939年に延安魯迅芸術学院に入学し、木版画の才能を開花させ、1945年に同学院の教員になる。1959年に北京市にある中央美術学院の教授となり、その後、副院長、院長に就任した。
今回の作品展では、延安時代の1938年から1945年までの初期作品100点あまりを展示している。古元氏の作品は、濃厚な郷土の息吹と民族や地域文化の独特な風情を表現している。作品展に訪れていた、中国で活躍する日本人版画家の丁未堂さんは、「1990年代初めに中国の友人から、『中国版画を勉強するなら、ぜひ知っておくように』と画集をいただいたのがきっかけで、古元氏を知りました。版画技法および芸術家としての精神、どちらにおいてもお手本となる先生です」と語った。
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作品名『結婚登記』 |
新聞のさし絵となった版画 |
また、今日美術館1号館では、同時に「第二回中国現代版画学術展」も開催中。こちらは、現代アート版画家で著名な方力釣氏、徐氷氏などの作品を展示している。版画家の丁未堂さんは、「時代が生んだまったくタイプの違う版画作品が一度に展示される機会はめったにありません。日本人の見学者は、ぜひ、この機会に、中国の代表的な版画芸術を楽しんでいただけたらと思います」とアドバイスする。
人民中国インターネット版 2010年8月15日
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