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「笹川杯全国大学日本知識大会2011」円満に終了

文・写真=徐麗娜

日本科学協会と南京大学など複数の大学の主催、日本財団の特別賛助、全日本空輸、人民中国雑誌社の賛助による「笹川杯日本知識大会2011」は、30日に南京大学で円満に終了した。激しい勝敗争いののち、蘇州大学が団体戦で初優勝、四川外国語学院と南京大学がそれぞれ2位、3位に、洛陽外国語学院の栗碩さんが同大会の個人優勝者となった。団体戦上位3チームと個人戦上位6名については、来年の2月頃、8日間の日本訪問に招かれる

 尾形武寿・日本財団理事長(中央)と交流する徐発波・江蘇省対外宣伝弁公室副主任(右)

尾形武寿・日本財団理事長(左)と会見する司錦泉・江蘇国際文化交流センター副理事長(右)

日本知識大会は、2004年、ハルビンでの初開催以来、中国の日本語学習者の増加に伴い、順調に発展している。2010年までには東北、華東、西南の3地域での開催となり、193大学から579名の選手が参加し、日本語学習者の学習意欲を向上させる絶好の機会となっている。2011年は、南京大学が中心となって、これらの地域大会を全国規模に発展させ、中国の各省・市から29大学の参加を得て、初の全国大会を開催したものである。

主催者挨拶を述べる大島美恵子・財団法人日本科学協会会長 主催者挨拶を述べる張異賓・南京大学常務副書記

大会で問われる日本知識は、文学、歴史、地理、科学技術、民俗文化、時事、中日交流などの広い範囲にわたる。全ての対戦を観戦した尾形武寿・日本財団理事長は、中国の学生の日本に関する知識の深さに驚き、日本学習の範囲の広さと知識更新の早さを知り、一部の問題は、日本の大学生でも答えられないだろう、と深い感慨を覚えたという。

優勝大学を表彰する尾形武寿・日本財団理事長(左端)、泉裕泰・駐上海日本総領事(右端)、司錦泉・江蘇国際文化交流センター副理事長(右から2番目)

個人優勝者を表彰する大島美恵子・日本科学協会会長(左)、張異賓・南京大学常務副書記(右)

「中国の安定的な発展には、君たち若い人の力が必要である」と尾形理事長は、中国の若者の前進と奮闘を激励した。「日本知識大会は、両国の新しいパートナーシップを築き、世界の平和発展のため、両国のよりよい協力を願うものです」と尾形理事長は語る。

入賞大学を表彰する岩丸陽一・カシオ(上海)贸易有限公司副総経理(左から3番目)

入賞大学を表彰する張哲睿・珠海宜興ソフト科学技術有限公司総経理(右端)

尾形武寿・日本財団理事長は、開幕式の中で日本財団の状況を紹介し、特に、日本の大震災の後、これまでに経験したことのない困難に直面しているが、日本財団は、中日青年間の友好交流プロジェクトの発展に対する注力を堅持し続けることを強調した。また、日本科学協会が実施している中国の大学等への図書寄贈についても、現在の寄贈対象大学28大学を今後100大学まで増やす意向であると述べた。さらに両国の青少年が、友好的な関係の継続の任を背負い、相互の認識、知識を深めさえすれば、両国間の相互理解と信頼を推進することができると述べた。

副賞の訪日招聘を読み上げる尾形武寿・日本財団理事長

大島美恵子・日本科学協会会長は、取材に対し、日本知識大会の主な初志の一つは、「日本を知ってもらう」ことであり、今後は「知日派」の育成をキーワードとし、「日本知識大会」と図書寄贈のほか、中国青年報と人民中国雑誌社との共同開催による「笹川杯作文コンクール」を通し、両国の未来を担う優れた青少年の育成に尽力する、と述べた。

取材を受ける尾形武寿・日本財団理事長

取材を受ける大島美恵子・財団法人日本科学協会会長

泉裕泰・駐上海日本総領事、張異賓・南京大学常務副書記、司錦泉・江蘇国際文化交流センター副理事長もそれぞれ挨拶を述べるとともに、各入賞者への授賞を行った。

会場の観衆たち

日本財団は、日本最大の民間公益団体であり世界的有数の慈善団体で、中国に対する主な事業としては、中国の学生、青年将校、医療関係者、地方官僚などの訪日研修、交流活動への資金援助等が挙げられるが、他にもゲートボールなどのスポーツ活動の発展を推進するプロジェクト、日本語人材や科学研究者の育成を支援するプロジェクトなどを実施している。尾形理事長は、中国の公益プロジェクトの開発に対し、「現行プロジェクトの評価に基づいて、続けて新しい公益プロジェクトを開発していくことになるでしょう」と述べた。

 

日本科学協会の対中国事業

1.大学・研究機構への図書寄贈

日本理解の促進、日中学術交流の促進を主な目的として1999年から実施している事業で、日本の各方面から提供された教育・研究図書をニーズに応じて中国の大学及び研究機関に寄贈するというものである。現在、寄贈対象を28大学・1機関に絞って事業を実施している。また、寄贈先の図書館担当者を対象とする日本招聘を4年毎に実施している。

※2011年11月までの寄贈累計:268万冊余

※2010年度までの招聘者:延べ93名

2.笹川杯全国大学日本知識大会

日本理解の深化、日本語教育の振興を主な目的として2004年から実施している事業で、中国の大学の日本語学習者が一堂に会して日本知識を競う大会を全国規模で開催することにより、日本知識や日本語能力の検証の機会を提供するというものある。また、成績優秀者を対象とする日本招聘を併せて実施している。なお、2011年の全国大会の初開催を機に、大会名を「笹川杯日本知識大会」から「笹川杯全国大学日本知識大会」に改称した。

※2011年までの参加大学:延べ222大学、参加者:666名

※2010年までの招聘者:延べ117名

3.「笹川杯作文コンクール―感知日本」

日本理解の促進、関心の喚起、日中友好意識の高揚を主な目的として、2008年から人民中国雑誌社及び中国青年報社との共催で実施している事業で、中国の青年を対象に“感知日本”テーマとして開催する日本語及び中国語による作文コンクールである。また、成績優秀者を対象とする日本招聘を併せて実施している。なお、本事業は中華全国青年聨合会の「中日青少年友好交流活動」認定事業である。

※2010年までの応募総数:22,787点

※2010年までの招聘者:延べ31名

 

人民中国インターネット版 2011年11月1日

 

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