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専門家が日本外相の訪中を分析 安定が外交方針に

 

日本の玄葉光一郎外相が日帰りの訪中を行った。中国現代国際関係研究院日本研究所の馬俊威副所長は、米国がアジア回帰を進める中、野田内閣は対中外交の道具が増えたと考えていると分析。両国関係の大局の安定を維持し、来年の中日国交正常化40周年の祝賀イベントを成功させることは、中日両国に共通した目標である。香港「大公報」が伝えた。

外交方針は政治関係の安定

中日関係は、昨年の釣魚島漁船衝突事件から緊張状態が続いている。今年3月に日本で大震災が発生した際、中国側は真っ先に好意を示し、胡錦涛主席は自ら日本大使館を弔問し、温家宝総理は福島県などを訪れ被災者を見舞い、両国関係は大きく改善された。また、菅直人氏が首相を辞任し、野田佳彦氏が就任してから、中日関係はほぼ安定している。先ごろ行われたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の期間中、胡錦涛主席は野田首相と初会談を行い、双方は引き続き中日の戦略的互恵関係を深めることで一致した。

馬俊威氏は、中日関係はすでに昨年の漁船衝突事件の影から脱したとし、「日本は現在、政治関係の安定を対中外交の基本方針とし、経済面の協力強化を目指している」と話した。

また馬俊威氏によると、近ごろの状況から、野田内閣は中国との政治関係の安定を執政中の政策目標としていることがわかる。中日の戦略的互恵関係という大きな枠組みはすでに確立している。民主党は鳩山氏、菅氏、野田氏の誰の時もこの大きな枠組み内で中日関係を発展させたいと考えているが、態度はまったく同じではない。

「米国がアジア回帰を進める中、日本は対中関係において駆け引きの道具を得たい考えだ。当然、日本は中国と真っ向から衝突する気はない。日本は経済面で中国に頼っているためである。政治と経済を分けるやり方はもう通用しない。漁船衝突事件からわかるように、政治関係の悪化は経済関係に影響し、2つは切り離すことができない。そのため、野田首相は政治において中国と安定を保つ必要がある」と、馬俊威氏は語った。

首脳会談の議題固め

中国社会科学院日本研究所外交研究室の呂輝東主任は取材に対し、「玄葉光一郎外相の今回の訪中は、主に両国首脳会談の議題を固めることが目的で、両国の戦略的互恵関係を推進するための具体的な方法がその重点となる」と述べた。

日本の東海大学の葉千栄教授は、玄葉外相が訪中時に持ってきた課題リストは、野田政府の願いを直接反映していると話す。

呂輝東氏によると、野田首相は就任後に中国との関係を強化したい考えを示したが、日本の新政府の対中政策はまだ明らかにされておらず、首相の訪中を通して中日両国は二国関係の目標を定めると見られる。

中国社会科学院日本研究所の高洪副所長は、「野田新政権は中国との関係において、米国やその他の国と連携する姿勢を見せながらも、中国との関係のいわゆる大局と長期的な利益を考慮、配慮しないわけにもいかない状況だ。野田首相の訪中は今後の両国関係の発展に深く、長期的な影響を与えることになるだろう」との見解を示した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年11月25日

 

 

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