「無数の歴史遺跡などの文化財に対する日本の手法は、多少の損壊であれば、修復を試みず保護のみにとどめる。国民に関連する知識をより深めてもらいたいのなら、複製品を作ることもできる」。大阪市立大東洋史研究室の平田茂樹教授ら日本人学者は28日、広東省陽江市南海海域で宋代初期に沈没し、今年4月に第2次引き上げが行われた磁器運搬船「南海一号」を見学した際、中国の文化財保護政策に関して提言を行った。「南方日報」が伝えた。
平田教授らは今回、「10-13世紀中国政治社会学術フォーラム・嶺南宋史研究会第2回年次総会」に出席するため広東省を訪問した。「南海一号」は陽江市、広東省、中国のみならず、全人類の貴重な文化遺産だ。広東絲綢之路(海のシルクロード)博物館を視察した日本の中国史研究者の口からは「嬉しい」「感激した」「感動した」などの言葉が相次いだ。長野高専の久保田和男教授は「日本には東アジア研究分野で豊富な文献資料があり、中国側との交流が今後強化されることを望みます」と期待を寄せた。
中国の文化財保護政策について、平田教授は「古さを残しながら修復する方法が中国の一部文化財に採用されているが、どれだけ優れた修復技術でも本来の姿を保つことは難しいため、好ましくない」とし、保護の強化と複製品の製作で国民の需要を満たす方法を提案した。
日本人学者らは「南海一号」の全体像を心待ちにしている。発掘・引き上げ計画はすでに詳細化されており、来年4月の完了が見込まれるが、具体的スケジュールについては中国国家文物局など関連部門の調整待ちとなっている。
「人民網日本語版」 2011年11月29日
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