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中国の消費者、地震後の日本産食品への信頼が回復中

 

東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の放射性物質漏洩事故の発生は、日本経済に幾多の打撃を与えた。消費者は放射能を警戒し、これまで安全なことで知られていた日本の農業がダメージを受けた。「日本新華僑報道」が伝えた。

だが日本政策金融公庫の農林水産事業関連の機関が9日に発表した調査結果によると、地震発生から9カ月が経過し、中国の消費者の日本産食品に対する印象は徐々に回復しつつあるという。

この調査はインターネットによるオンライン調査の形式で、2011年9月から北京市、上海市、香港地区の20歳以上の中・高所得層3千人を対象に行われたものだ。これと同時に、日本産食品を購入した3地域の消費者32人に対するグループインタビューも行った。

「地震発生後に日本から輸入された食品をどう思うか」との質問に対し、どの地域の回答者も懸念を表明した。「これまでは安全でないと考えていたが、今は安心だと思っている」とした人は、北京と上海では回答者の24.8%に上り、香港は26.4%に達した。「印象は変わらない」とした人は、北京・上海は20.4%、香港は19.8%だった。

グループインタビューでは、ある回答者が「今では印象はずっとよくなっている」と答え、その理由として日本側が発生した問題をはっきりと伝え、誠意がみられること、より厳格な検査を行って、消費者に安全性や安心感が高まっていると感じさせていることを挙げた。

だが別の回答者は、「今なお多くの心配事がある」と答えた。こうした意見をもつ人の多くは子育て中の母親だ。母親たちは日本産粉ミルクに懸念を抱き、「今はオーストラリア産の粉ミルクを選んで子どもに与えている」のだという。

また輸入食品について、地震が中国にある日本料理店などの外食産業に与えた影響はより軽微なものになっている。なぜなら、多くの回答者の日本産食品に対する態度は全体としては変わっていないからだ。

調査で「日本産輸入食品への信頼感を回復するにはどうすべきか」をたずねたところ、「日本政府の関連機関や第三者機関などが放射能検査を行う」ことを選択した人は北京・上海の回答者の71.5%、香港の回答者の63.45%に上った。また40%以上の人が「放射能に関する情報を全面的に提供すべき」、「原発事故の後には一定の時間が経過する必要がある」との見方を示した。

北京・上海での日本産食品に対する印象の上位3項目は、「高品質」(46.9%)、「見た目がきれい」(43.4%)、「おいしい」(39.6%)だった。香港では「高品質」(63.7%)、「高級」(56.8%)、「見た目がきれい」(56.5%)だった。

日本政策金融公庫は今回の調査結果を受けて、中国の消費者が地震発生後も調査でみられたような日本産食品への強い信頼感を保っていることを意外に感じたが、これは日本ブランドに対する高い信頼感を別の角度から証明するものでもある、との見方を示した。

 

「人民網日本語版」2011年12月13日

 

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