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日本の古都保存と中国人建築士・梁思成の「特別な縁」

 

日本観光といえば、日本の2つの古都である京都と奈良の古い建築物の見学はゆずれない。しかし、あまり知られていないことだが、これら高い芸術価値を持つ昔の建築物が、第二次世界戦争の戦火による破壊を免れたことは、意外にも中国人の有名な建築士である梁思成氏と深い関係がある。

1944年「戦地文化財保護委員会」の副主任だった梁思成氏は、特別な任務を受けた。――被占領地帯の文化財建物表を作成し、そして、軍用地図にそれらの位置をマークするという任務だ。梁思成氏は彼の学生と昼夜を分かたず地図を作成した。梁思成氏がマークした地図の中に、ある特別な地図があった。2つの円が描かれていた。それは日本の古都である京都と奈良だった。梁思成氏はこの地図を同盟軍司令部へ送った時、同盟軍の司令官は、中国人学者が敵国の古い建造物を保護したいことが理解できなかった。梁思成氏は、「個人的な感情をいえば、すべての日本を爆撃したいほどだが、建造物というものはけっしてある民族のものではなく、全人類の文明の結晶である。例えば、奈良の唐招提寺が世界一古い木造建物の一つだが、もし壊れてしまえば救うことはできない」と説明したという。

梁思成氏の提案は最終的に受け入れられ、古都・京都と奈良はひどい爆撃から奇跡的に保全された。この日本人がずっと疑問に思っていた謎は、1986年に梁思成氏の教え子が日本を訪問した時に解明されたのだった。これを受け当時の「朝日新聞」は「古都の恩人は中国人学者」という文章を発表して、梁思成氏の偉大な行為を褒め称えている。梁思成氏のこの選択は国と家族の仇であることを超えたものだ。彼の息子は「父がこの提案を出すのは非常に難しいことだった。私の家族の中でも2人が抗日戦争の前線で死亡している」と明かしている。

梁思成氏(資料写真)

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年2月2日

 

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