中国は金融改革開放戦略を実施してから30年後、新たな金融改革をスタートした。金融体制改革の過程において、中国は日本と一連の金融協力を実施する必要がある。両国の緊密な金融協力により、現在世界で発生している深刻な金融危機を乗り越え、アジア経済および世界経済に貢献することができる。中日間の発展を続ける経済金融関係を支援し、米国の金融危機および欧州の債務危機に対応するため、両国は金融市場の協力を強化する必要がある。中国政府は両国間の金融取引を強化・奨励しなければならない。中日両国が具体的な一連の金融協力を実施すれば、無益な競争を避け互恵関係を築くことが可能となる。両国は以下の分野から戦略提携を実施し、今後の提携で市場の原則を遵守するべきだ。
(一)二国間貿易における円と人民元使用の推進
日本と中国は外貨準備高が最も多い2カ国であり、現在の世界経済環境下において、外貨準備高リスクの管理という問題を抱えている。中国人民銀行のデータによると、2011年9月末、中国の外貨準備高は3兆2000億ドルを超え、年初比で12.45%増となった。日本が現在保有する1兆2200億ドルの外貨準備高のうち、大半はドル建て資産だ。両国の中央銀行が外貨準備高を効果的に活用できれば、円と人民元の貿易精算における使用の利便性を高めることができ、両国の貿易会社の為替レートリスクと取引コストを低減できる。日本企業が人民元市場に対する効果的な直接投資を継続できれば、両国の経済金融の協力はさらに強化されるだろう。
(二)円と人民元の直接取引市場を支援
中国は現在、香港外国為替市場で人民元オフショア金融市場の設立を開始している。両国が積極的な提携を展開すれば、東京外国為替市場は次の人民元オフショア金融市場となる。これは人民元の国際化業務の展開、東京外国為替市場のさらなる拡大と発展にとって、深い歴史的意義と現実的意義を持つ。
|