本日、3月11日は、日本で東日本大震災が発生してちょうど1年。中国の記者である私たちは現役・退任の5人の政府高官である震災救援の第一線に立ち世界から注目を浴びた彼らに、日本震災からの復興の道の難しさと曲折、これからの決意や希望について詳しく話を聞いた。
野田佳彦:震災復興と日本の再生は使命
復興による日本の再生
記者:1年前、日本は未曽有の大震災に見舞われました。1年後、日本は大きな痛手の中から経済をある程度加速させてきました。これはどうやって実現できたものと考えていますか?
野田首相:当時、われわれには一つの信念しかありませんでした。大地震による被害に打ち勝ち、1日も早く被災地に復興の鐘を鳴らす。われわれはこの信念を胸に、震災以来、国を挙げて懸命に取り組み今に至っています。
われわれは国会で第三次補正予算と関連法律の制定を行い、これによって震災復興部門、債権交付金、債権特区制度などに明確な道筋をつけたばかりです。特に再建を担う復興庁は、被災地に深くかかわり、被災地の要望をきめ細かく受け入れ施策を取っていくためのもので全国の再建の“司令塔”となり、再建と復興を推進・けん引していく役割を果たします。
大震災に直面した日本は、難しい挑戦を迫られています。現状を回復するだけでなく、新しい日本を再建する。これは、いまの時代の日本人が歴史から与えられた使命です。「復興に向かう」歩みを速め、再生可能なエネルギー、医療改革を導入して、リハビリ用ロボットを導入するなどを通じて、われわれは災害復興の先駆者的事例となるだけでなく、同時に日本経済の再生を進めたいと思っています。復興の(外資投入、観光目的)の訪問であれば、すべて日本復興の力となり、われわれが歓迎するものです
東日本各地の被災地と力を合わせて、日本国民全体が心ひとつに「復興を通して、日本を再生する」という新しい歴史を作り上げていきたいと思っています。
戦略的互恵関係の深化
記者:中日は隣国同士であり、日本経済の再建過程で、中国の果たす役割については、いかがお考えですか?
野田首相:震災後、胡錦涛主席はすぐに日本駐中国大使館を訪れ、お見舞いをお悔やみをくださいました。また、各界からのお見舞いや激励を頂戴しました。さらに緊急援助隊や救援物資など、私たちに物心両面からの支援をいただきました。この場をお借りして、重ねてここからの御礼を申し上げます。また、昨年5月の中日韓首脳会談では、温家宝総理が自ら被災地の慰問に足を運んでくださり、温総理と被災者の交流では多くの人が涙を流したと聞いております。
そのように、われわれは中国から温かい支援、激励をいただき、日本人の多くが日中関係はさらに強まったと感じたと思います。永遠の隣国として、これらの支援はわれわれに日中間の源遠ければ流れ長しの友好関係を思い出させました。
記者:日本はどのようにして中国の戦略的パートナーシップを構築すべきと考えていますか?
野田首相:今年は日中国交正常化40周年にあたり、安定した発展基盤を作り上げる絶好の機会です。私は、戦略的互恵関係に「6つのイニシアティブ」を主張しています。すなわち1. 政治的相互信頼の増進、2.東シナ海(中国では「東中国海」と称する)を「平和・協力・友好の海」とするための協力の推進、3. 東日本大震災を契機とした日中協力の推進、4. 互恵的経済関係のグレードアップ、5. 両国国民間の相互理解の増進、6. 地域・グローバルな課題に関する対話・協力の強化です。われわれはこれを基礎として、戦略的互恵関係をしっかりと進化させていきたいと思っています。
私は1984年、日中青少年交流会3000人訪中団に参加し、初めて中国を訪問しました。その時から中国とはご縁があります。この点からみると、私はよく生まれながらの日中交流専門家であると人にいうんですよ。(笑)私はこれからも青少年がさまざまな場面で双方向の交流を重ね、あらゆる場面で相互理解と信頼を進められるように努力していく所存です。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年3月11日
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