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日本で、千年前の中国に出会う

 

日本の名所旧跡を観光すると、中国人は昔の自分自身を邂逅するような味わいをよく感じるものだ。鑑真和尚が日本に渡って建造したといわれている唐招提寺、世界で現存する最大の木造寺院である東大寺、平安時代にできた清水寺、金箔に包まれた金閣寺…ガイドは私たちに、京都に遍く分布するさまざまな寺院は、実際、当時中国のものを「パクッた」ものなんですと説明する。京都全体でさえも、古都長安のコピーである。残念なことに、オリジナルは今、その姿を見ることはできないが、コピーは長い歴史を経てもなお美しく現存している。

こうした感慨は、さまざまな歴史的旧跡にも息づいている。例えば、徳川家康だ。

京都に残る徳川幕府の遺跡で、最も有名なのは元の離宮であった二条城だろう。

中国人観光客はここを訪れると、相当な親しみを覚える。なぜならそこかしこに中国古代の残り香を感じるからだ。博物館に展示されている大量の文物は当時のメイド・イン・チャイナ。本殿の「唐門」にも当時、最高レベルの中国の名工による彫刻が施されている。中国の古典に出てくる物語がちりばめられ、「司馬光、甕を割る(幼い司馬光がかめの中に落ちて溺れかけた子供を沈着冷静に石でかめを割って助けた故事)」などの物語がはりに彫刻されている。

更に中国人を感動させるのは、徳川家康という軍師が最も尊んでいたのが、儒学の「仁政」であり、非常に高い漢文の素養があったという点だ。博物館には家康の直筆が残されている。見てもわからない日本人が多くなっているだろうが、中国人はこともなく読むことができる。彼はきちんと韻を踏んだ対聯を書いており、しかも劉邦の「大風歌」を写している。わざと一文字変えて「安得賢士虧守四方」との書が読める。

千年前の中国に思いを馳せて感慨に浸るとき、「文化が伝わっていく」力の大きさを実感せずにいられない。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年5月9日

 

 

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