「人類を寄せ付けない極地」とも呼ばれる南極内陸部の最高点「ドームA」に、まもなく中国の南極天文台が出現する。中国が国外に天文台を建設するのはこれが初となる。北京晨報が報じた。
中国科学技術協会が主催する科学者とメディアの対話イベントが23日に開催された。同イベントに出席した中国南極天文研究センター主任の王力帆氏(紫金山天文台研究員)は、「南極天文台の主要設備には、口径5メートルのテラヘルツ望遠鏡1台と口径2.5メートルの光学赤外線望遠鏡1台が含まれる。完成すれば、中国は地上天文観測分野において世界をリードすることとなる」と語った。天文台の建設は現在プロジェクト立案段階にあり、プロジェクトが認可された後に5年をかけて建設し、2020年には使用が開始される見込みだという。
南極天文台に建設される口径5メートルのテラヘルツ望遠鏡は、南極では唯一の物であり、2.5メートルの光学赤外線望も南極で最大の口径を誇る。
南極天文台の観測目標は「2つの暗(暗黒エネルギー、暗黒物質)、1つの黒(ブラックホール)、3つの起源(宇宙の起源、天体の起源、生命の起源)」という言葉に集約される。暗黒物質、暗黒エネルギーに代表される重要な科学問題は、宇宙に対する人類の認識を根本的に覆す可能性もある。
王氏によると、南極天文台の望遠鏡は遠隔操作が可能であるため、科学者が実際に南極に滞在して操作する必要はないという。
「人民網日本語版」2012年8月24日
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