11月3日、程永華駐日大使は日本華人教授会議が東京大学で開いた中日関係に関するシンポジウムに招かれて出席し、閉幕式で中日関係と釣魚島問題について講演した。
程大使は次のように述べた。今年は中日国交正常化40周年で、両国関係は大きく揺れ動いた。9月まで中日関係は全体的に発展を続け、経済・貿易協力が着実に進み、日本の対中投資が著しく伸び、人の往来が持続的に増え、金融協力が前向きの進展を収め、370余りの「国民交流友好年」の催しが順調に行われていた。みなが期待に満ちて、国交正常化40周年を通じて中日関係を前進させようと準備していた時に日本政府の「島購入」事件が起きた。まるで両国関係に重量爆弾が炸裂したように、中日関係はこの40年間で最も厳しい局面に陥り、両国の国民感情は氷点まで冷え込み、各分野の交流、協力は全面的に停滞し、さらには中断した。
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講演する程永華・駐日大使 |
挨拶する朱建栄・日本華人教授会議会議前代表 |
程大使は次のように強調した。釣魚島に対する中国の立場は一貫し、明確なもので、最近発表された白書「釣魚島は中国固有の領土である」と人民日報に発表された関係の文書で詳しく述べられている。今回の「島購入」問題が起きた後、中国側は日本側に重大な関心と断固反対する立場を繰り返し表明し、いかなる者の「島購入」でも中国側にとって、その性格は同じであり、いずれも極めて深刻な結果をもたらすものであると指摘した。中国は日本側が中日関係の大局から出発し、中日国交正常化と平和友好条約締結時の両国指導者の共通認識(コンセンサス、合意)と了解を順守し、「島購入」というこの極めて危険な動きをやめるよう希望し、私自身も説得工作を最後まで続けた。しかし、日本側は聞こえないふりをして取り合わず、右翼勢力の中日関係を損なう行為を阻止しようともせず、逆によい折とみて、「島購入」を行った。中国人民の激しい憤りを引き起こし、中国は強く反応した。
程大使は次のように指摘した。最近、日本国内の各界の有識者がさまざまな形で、両国関係に対して憂慮を表明し、事態の早期収拾を希望し、中日関係が一日も早く、行き詰まりから抜け出し、正常な発展軌道に戻ることを希望している。「まいた種は刈らなければならない」。現在の中日関係の危機的状況は日本側の「島購入」によって起きたもので、状況を改善する責任も日本側にある。われわれは日本側が情勢を見極め、問題解決に向けた誠意を示すことを希望している。
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会場現場 |
釣魚島は中国固有の領土で、本来、係争はなかった。1895年に日本が釣魚島を不法に窃取、占領したことから問題が起き、係争となった。双方にそれぞれ主張があり、立場が異なっているのは係争のあることを示すものであり、現在、全世界がこの基本的事実を見ており、日本の係争を否定するやり方は「耳を覆って鈴を盗む」ものであり、外交交渉の道を妨げている。
国交正常化と平和友好条約締結の際、両国の前の世代の指導者は共に、釣魚島問題で双方に係争のあることを認識し、立場の違いが大きいことから、当時、釣魚島問題が両国の国交回復と条約締結に影響を与えるのを避けるため、双方はこの問題に一時触れず、「そのままにして、後の解決に待つ」ことで了解し、共通認識に達し、両国関係の再建と発展に有利な条件をつくり、双方のこの40年間の釣魚島係争を管理制御する基礎となった。日本側は「島購入」に固執し、双方の共通認識を認めず、この40年間の両国関係の順調な発展の保障を完全にぶち壊した。
日本側の不法な「島購入」で中日関係はこれまでにない危機的局面に直面し、また釣魚島情勢にも根本的変化が起きた。日本側は誤りをはっきり認識し、深く反省し、釣魚島問題の新たな情勢に向き合い、それを踏まえ、実際行動によって問題解決の意向を示し、両国関係を正常な軌道に戻すため努力しなければならない。
程大使は次のように強調した。中国は平和を愛する国で、日本を含むすべての国と友好的に付き合うことを願っている。双方はすでに外務次官による釣魚島問題協議を始めており、日本側が一日も早く実質的一歩を踏み出すことを希望している。
シンポジウムでは中国社会科学院の馮昭奎名誉学部委員、上海日本学会の呉寄南会長、日本華人教授会議の朱建栄、杜進・両教授、早稲田大学の天児慧教授、中央大学の服部健治教授ら中日両国の著名な学者、専門家が中日関係について掘り下げた討議を行った。聴衆は220余りに上った。
人民中国インターネット版 2012年11月5日
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