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緑川英子生誕100周年座談会 北京で開催

全国政治協商会議常任委員会で中華全国世界語協会会長の陳昊蘇氏(左)

中華全国世界語協会副会長で中国報道雑誌社長兼編集長の陳実氏

抗日戦争の頃、伝説の日本人女性がいた。彼女は、世の中の壁を打ち破って普通の中国人留学生と恋に落ちた。彼女は夫を追って中国に渡り、ぬくもりのある文字と悲しみをはらんだ言葉で日本に放送をし続け、帝国主義の日本軍の士気をくじくために大きな役割を果たした。防空警報の鳴り響く中にあって、日本の家族が巻き添えになってもいささかもたじろがなかった。彼女は、抗日戦争が中国の勝利で終わった後も中国に残ることを選択した。彼女の第二のふるさとで、革命をなし、運動を繰り広げた……彼女は緑川英子(日本名は長谷川テル)。日本で生まれ、中国で戦ったエスペランティストであり、革命の闘士、世界主義の闘士だった。周恩来総理は彼女を評して「日本軍国主義はあなたを売国賊と呼ぶが、実にあなたは日本国民の忠実なる子女であり、真実の愛国主義者である」といった。

11月28日、緑川英子生誕100周年を記念し、中華全国世界語(エスペラント語)協会、中国報道雑誌社の主催で「緑川英子生誕100周年記念座談会」が北京で開催された。全国政治協商会議常任委員会で中華全国世界語協会会長の陳昊蘇氏、中華全国世界語協会副会長で中国報道雑誌社長兼編集長の陳実氏、山東棗庄学院副校長曹勝強氏、世界エスペラント協会アジアエスペラント運動委員会委員長の佐々木照央博士が今回の座談会に出席した。このほか、北京、天津、遼寧など各地から50名以上のエスペラント話者、北京で就業している日本、トルなどのエスペラント話者も会議に参加した。中国報道雑誌社副編集長の趙珺氏が司会を担当した。

座談会では、陳昊蘇会長が緑川英子が中国の民族解放に果たした功績を高く評価、その理想の高さ、平和を愛する国際主義に対し敬意を示した。中国報道雑誌社の前常務副社長でエスペラント語歴史学者の候志平氏は、大量の歴史的資料を活用して詳しく緑川英子が中国で関係した抗日戦争宣伝活動の過程や中国での暮らし、数々の実績や出版作品を紹介した。彼は会に参加した人々、特に若い世代に緑川英子の国際主義思想と愛国主義精神を学び、彼女が追究した真理と理想を保ち続けた勇気と粘り強さを学ぶことをすすめた。

この度、中華世界語(エスペラント)協会が緑川英子生誕100周年記念座談会が開催するに当たって、日本の大学で中国語を教える緑川女史の娘、長谷川暁子さんは、協会宛に書面で激励の言葉を伝えた。長谷川さんは「中国には日本を好きな人がたくさんおり、日本との友好的な関係を築くことを願っている。また、日本にも、自国の侵略の歴史を深く反省している人が大勢いる。今日、彼らは日中関係の改善に向けて、努力を惜しまず戦っている。これこそ、日中両国の友好な発展の土台であると信じている」と伝えた。

緑川英子は中国のエスペラント語の学会でも、非常に名の知れた人物である。緑川女史は抗日戦争の時期に多く思想を発表し、日本に停戦を求め、中国人民に団結するよう呼びかけた。緑川女史はかつて、「私は日本を愛しており、中国も愛している。しかし、私は中国の人々を虐殺する日本軍を恨んでいる」と訴えている。日本の帝国主義と戦う革命的闘争の中、多くの苦難と非難が待ち構えていたが、緑川女史はその知性と揺るぎない正義感、そして胸には全人類に対する博愛主義を抱き、革命の精神と人類の平和を信じて戦った。

中華世界語協会の陳昊蘇会長は「今、中日関係が問題を抱える中、中国が右翼勢力に断固として反対するのは、中日両国の人々の友情を守り、緑川英子女史を含む多くの革命烈士の努力と犠牲によって成り立っている平和を守るためである。中国共産党第18回全国代表大会でも提起されたように、中国は人類文明の進歩を推進し、世界平和の道を歩んでいく精神を志す。緑川女史の精神は永遠に、我々が見習うべきものである」と強調した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年11月29日

 

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