景気後退が進んでも日本の政治家たちは賢明な政策を打ち出せず、そればかりか、近く実施される衆議院議員総選挙は政界を混乱させている。右翼は中日関係に影響を及ぼす発言を次から次へとしており、このままいけば、輸出に頼っている日本経済が更なる苦境に陥ることは間違いない。
◇後退局面からの挽回は困難
内閣府が発表した統計によると、日本の第3四半期の国内総生産(GDP)は前期比0.9%減、年率3.5%減となった。また、第2四半期のGDPは0.1%増から0.03%減に下方修正され、2四半期連続のマイナスとなり、日本経済が後退していることを裏付けた。中国社会科学院日本研究所・経済研究室の張季風主任は「国際商報」に対し、後退は大勢の赴くところであり、第4四半期も萎縮は続き、前期比で0.5%前後の減少になるとの見解を示した。
成熟した経済国で、そのうえ高齢化問題に直面する日本の国内市場はすでに飽和状態にあり、東日本大震災はインフラ建設を後押しし、景気を促進すると見られていた。ところが、現状を見ると、そのけん引速度は国際市場の悪化速度より遅く、特に中日間の貿易は関係が緊迫状態にあるため冷え込んでいる。
◇金融緩和は良い方法ではない
景気後退に直面する中、次期首相の有力候補とされる安倍晋三氏は金融緩和で解決を図る姿勢を示している。景気刺激策として公共投資を拡大すると主張し、さらに、日本銀行に無制限の金融緩和を行い政府の財政拡張に協調し、デフレ脱却を支援し、物価上昇率2~3%のインフレ目標を設定するよう求めた。
この問題は、「日本の巨大な国債市場が揺らぐ」という別の問題に発展する恐れもある。日本政府の公的債務の負担は世界的に見れば最大規模だが、国債市場は驚くほど安定している。
これについて、多くの外国メディアが否定的な見方を示している。「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、日本がデフレを重視しすぎ、債券の金利を何度も引き上げ、それが日本の巨大な国債市場に影響すれば、国民に引き続き購入させるには金利を引き上げるしかなく、そうなれば政府の支出は激増すると分析した。
英フィナンシャル・タイムズ紙によると、日本に対し長期悲観的な見方を示す一部のヘッジファンドマネージャーは、日本で数カ月内に大きな国債危機が勃発すると予想し、「日本国債空売り」に備えている。
◇近隣窮乏化政策をとるべきではない
中国商務部国際貿易経済合作研究院・対外貿易部の金柏松副主任は「国際商報」に対し、「輸出増加は日本の続く後退を止める唯一の方法である。中でも最も重要なのは中日関係を改善し、中国の対日貿易を促進することだ」と話した。
統計によると、日本の輸出は10月まで5カ月連続で減少し、同月の経常収支の黒字額は前年同期比29.4%減少した。中国の税関の統計によると、11月の中国の日本からの輸入額は138億米ドルで前年同期比15.1%の大幅減となった。金柏松氏は、欧米の外需減少などの影響のほか、最大の貿易相手国である中国との貿易が減少したことが主な原因だが、日本政府はこれに目を向けようとしていないと指摘したうえで、「次期政権が第二次世界大戦時の軍事拡張戦略を堅持すれば、日本の景気は引き続き後退し、もっと深刻になる」と断言した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年12月12日
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