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木寺大使:第一の任務は日中友好関係を深めることだ

 

日本の新駐中国大使木寺昌人氏が25日北京に到着した。当日日本大使館で記者会見を行い、日本人記者の質問に答えた。以下は主な内容である。

木寺大使:今日ちょっと飛行機が遅れたが、北京に着いて快晴ではないけれども、大変寒い中、少し日が差して、伺っていたよりよい気候だったので、心が和んだ。ただ、私の任務は、こういう状況の下、北京に参ったわけだから、なかなか容易ではないということで、身の締まる思いである。私は中国に参って、私の第一の任務は、日中間の友好関係を深めることというふうに考えて、ぜひいろいろな交流をなさっている方々、そういったところを後押ししたり、大使自ら中国の要路を回って、日中関係をよくしようと、これが今大変求められているということをご説明して回りたいと思っている。

東京を出る前に、各方面から大変な励ましを頂戴した。これは任地に赴く大使としては大変恵まれたことだと大変ありがたく思っている。いろんな方面からたくさんの元気を頂戴してこれをどうやって北京で外交に結び付けていくか、ぜひいい結果を出していきたいと思っている。あと日本と中国の関係がよくなるためには、日本人が中国に対して持っているイメージがよくなる、中国の皆さんが日本に対して持っているイメージがよくなるためには、いろんなレベルでの交流を深めていく、広げていく。交流を通じて友情が生まれる、それから相互理解も深まる、そういう交流の後押しをしていきたい。特に将来の日中関係を担う若い人たちの交流を後押ししていきたいなと思っている。

記者:まず日中関係。政治面での対立の影響が経済や文化の交流、そして国民感情の悪化に広く及んでいる。日中関係の改善のために、今何が必要だというふうに考えているか。具体的にやりたいことあるいは、スケジュールがあれば教えてください。

木寺大使:今ご質問でご指摘があったように、政治関係が冷えて、そして経済関係が冷えてしまう、それからさまざまな交流が停滞してしまう。これは、日中の両国民にとってまったく利益にならない。経済関係が冷えてしまっては、日本と中国のそれぞれの経済にとっても有利ではないということになると思う。私ができることは限られているけれども、できる限り中国の要路を回って、日本と中国の間で政治的にいろんなことがあっても、経済関係をさらに太く、広くしていくことは日中の経済、日中の両国民にとってもいいことなんだということを説明して回りたいと思っている。それからさまざまな交流を後押ししていくと、これが私がやるべきことだと考えている。

記者:二番目は尖閣諸島(釣魚島)問題。前任の丹羽大使が尖閣諸島について外交上の争いがあることは認めたほうがいいというような趣旨の発言をしたが、これについてどのように受け止めているかということと、海の上で偶発的な衝突が軍事的対立に発展するような分析が指摘されているが、これを防ぐ手立てについてはどういうふうに考えているか。

木寺大使:東京を出る前に、先週20日に日中友好七団体による新旧中国大使の歓送迎会を盛大に催していただいた。その場で丹羽前大使がそういう発言があったと、私もその場にいたので覚えているが、尖閣を巡る状況については、日本の外務省と中国の外交部の間で局長や次官のレベルでの話し合いは継続している。その話し合いから離れて私は軽々に日本政府の立場についてコメントすることは差し控えたいと思う。

不測の事態については、これはどうしても避けるべきというふうな配慮が、日本と中国の双方に必要だと私は思う。日本の外務省と中国の外交部の間で話し合いが継続されているけれども、そういう中でも不測の事態を避けるためにどうするかということは話し合われていくべきだと考える。日本としては、この状況を処理していく上で平和的に冷静に対応するというのは、累次表明している通りであって、そういった考え方がとても重要だと私は思う。

記者:三つ目は、中国の新しい体制が対日姿勢がより強硬になっているのではないかという見方が出ているが、これについてはどのように見ているか。

木寺大使:先月共産党大会があって、新しい人事が決まった。これからの中国の指導層にとっての重要な課題というのが決まった。これから春にかけて、実際のポストの交代が行われる。それから重要な課題についての方針が定められていくという中で、外交についても新しい政策が出てくるのではないかと。中国は近隣諸国との関係改善というのも方針としてすでに出しているので、そういうものを受けて、日本についても新しいのが出てくるのかなと注目して参りたいと思う。

記者:(四つ目は)これから新しく誕生する政権について、中国では、安倍総裁が掲げた公約に関しては、国防軍とか、憲法改正などについて、右傾化だというような反発がある一方で、経済を中心に関係改善の期待感が垣間見えるけれども、安倍氏それから新政権についての中国側の受け止めについてどのようにご覧になっているか。それから、安倍氏が特使の派遣など軟化の兆しについてどのように評価しているか。

木寺大使:小泉内閣の後を受けて安倍内閣が日中関係に尽力された。この記憶は中国の皆さんにもまだ新しいのかなと私は思っている。そういう意味で、安倍政権は明日首班指名と伺っているけれども、そういう新しい政権が生まれて、安倍内閣がどのような形で中国に対応していくか。ここは中国側も過去の期待感も合わせて見ていくのかなと考えている。特使についての報道はあったが、具体的にどういうことが決まったのかまだ承知していない。明日安倍内閣が発足して、さまざまな新内閣の策の中で検討されることだと私は思う。

記者:(五つ目は)今もっとも木寺大使に対して期待されているのは何か。ご自身が今一番重視していることと最大の持ち味は何か。

木寺大使:私の第一の任務は日中間の友好関係を深める、広げていくことだと考えている。こういう状況だから、必要性は高いと私は考える。外交にはマジックとかミラクルというのはなかなかない。私は地味な性格なので、地道に中国の要路を回って、私の考えを説明して回ると、そういったやり方で成果を出していきたいと考えている。

記者:数日前に、安倍総裁と自民党本部でご挨拶に回った際に、安倍さんのほうからどういうお言葉がかけられたか。

木寺大使:安倍総裁からは、こういう局面で大使の赴任は大変だけれども、がんばってくださいという励ましの言葉を頂戴した。

 

「人民網日本語版」 2012年12月26日

 

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