NHKの報道によると、「書聖」と呼ばれる4世紀の中国・東晋時代の書家、王羲之の書の精巧な写しが日本で発見され、東京国立博物館で1月22日から3月3日まで特別展「書聖王羲之」にて公開されるという。NHKはこれを「世紀の新発見」と伝えている。中国ウェブサイト「東方網」が伝えた。
写しは昨年10月、日本のある所蔵家が東京国立博物館に鑑定を依頼したことで明らかになった。今回の特別展が初公開で、書道会をはじめとする各界からの大きな反響が予想される。
中国の書道史上、影響力で王羲之の右に出るものはいない。後世に「書聖」と称されるようになった王羲之の書は、数千年間にわたり皇帝や貴族、詩人、文学者にとって憧れの存在となってきた。
現在、世界の各博物館が所蔵する「王羲之」の書はいずれも、唐・宋を中心とした古代に制作された精巧な写しだ。王羲之の「真筆」または古代に制作された精巧な写しは歴史的に見ても非常に貴重で、値をさらに吊り上げるため切断されていることが多い。現時点で博物館に所蔵されている王羲之の書も文字数が多くなく、ほとんどが数行ほど。統計では、唐代に制作された王羲之の書の写しで現存するものは20法帖(ほうじょう)にも満たないという。うち日本に伝わったものの中に「喪乱帖」、「二謝帖」、「得示帖」、「三帖合装」、「孔待中帖」、「游目帖」などがある。今回、初公開される写しにはまだ正式な名称はつけられていないが、「世紀の新発見」であることは間違いない。(編集MZ)
*法帖(ほうじょう):書道において紙に筆と墨で書かれた書蹟のうち、保存・鑑賞・学 書用に供するために仕立てられたもののこと。
「人民網日本語版」2013年1月9日
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