北京市延慶県文物部門は旧県鎮・焼窯峪村付近の山上でこのほど、道教の龕窟を発見した。龕窟からは立体彫り・高浮き彫りの摩崖造像24体が発見された。北京でこれまで発見された道教龕窟の中では最大規模。光明日報が伝えた。
延慶県文物部門の関係者によると、このたび発見された道教龕窟は焼窯峪村の真北約1キロの地点にある、二つの層からなる断崖上にあり、地表からの高さは約100メートル、崖の頂上からの距離は6メートル。龕窟は三宮殿、真武殿、娘娘殿に分かれており、三宮殿は長方形で、幅3.5メートル、深さ3.3メートル、高さわずか2メートル。中には3体の立体像があり、いずれもゆったりとした着物を着て広い帯をしており、胡坐をかいて坐っている。中間の像は両手を胸の前に置き、両側の像は1体は石杵を、1体は法器を手に持っている。3体の像はいずれも頭部が失われている。
三宮殿の西側の岩壁からは、高さ90センチ、幅61センチの摩崖石刻が見つかった。文字はかすれてしまっているが、うっすらと「万歴」などの文字が読み取れる。像の形や祭られている物、石碑に刻まれた文字などの面から分析したところ、これらの摩崖造像は明代のものと見られる。
現在延慶県文物部門は摩崖造像の初歩的な保護を行っている。今後は文物保護プロジェクトへの申請を行い、全面的な保護を実施する予定だという。
「人民網日本語版」2013年1月11日
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