中国環境保護部(環境保護省)、独立行政法人国際協力機構(JICA)などが共催する「静脈産業生態パーク建設推進シンポジウム」が27日午前、北京で開幕した。中国・ASEAN環境保護協力センターの周国梅副主任、中国環境保護部の馮波所長、在中国日本大使館の岩本桂一参事官、JICA中国(事務所)の中川聞夫所長らが開幕式に出席し、式辞を述べた。人民網が伝えた。
静脈産業は資源再生利用産業とも呼ばれ、資源節約・環境保護を目的とし、先進技術を活用し「資源循環型産業」を実現する。JICAと中国環境保護部は2008年10月より、「循環型経済推進」技術提携プロジェクトを共同推進している。同プロジェクトは生産・消費・再利用などの資源流通サイクルに着眼し、各サイクルの「生態化」を実現し、静脈産業パークの建設を推進する。
岩本参事官は開幕式で同プロジェクトは、日中両国の循環型経済、すなわち生態文明建設という国家戦略の提携であり、象徴的な意義を持つと高く評価した。中国環境保護部で循環経済を主管する馮所長もまた、「循環型経済は中国の環境問題・発展問題の解決に対して、重大な意義を持つ。中国の環境は現在厳しい情勢に置かれている。このほど発生したスモッグを始めとする環境問題は、中国が特殊な発展段階にあり、資源・エネルギー・環境保護などの面に存在する問題を反映している。中でも資源エネルギー利用率の低さは大きな問題となっている。法的な強制力により環境汚染の取り組みを強化すると同時に、生態・グリーン消費の推進という「ソフトな」手段も極めて重要だ。循環型経済をめぐる中日両国の提携は、両国の資源問題の解決につながり、また他国にとっても一つの参考になる」と語った。
今回のシンポジウムは2日間に渡り開かれる。中国側からは、中国環境保護部などの中央政府関連部門の他に、瀋陽・臨清・蘇州・上海などの地方政府の関連部門、および企業の関連部門が出席する。他にも、日本の専門家および約20社の民間企業も出席を予定している。同シンポジウムでは、中国各地の静脈産業パークの建設動向、および試行都市(遼寧省瀋陽市、山東省臨清市、江蘇省蘇州市)の具体的な事例が紹介される。また中日両国の最新の環境・資源循環技術、国際レベルの都市建設の構想に関するプランなどが紹介される。同シンポジウムは、中日両国の生態パークの建設促進、専門家および業界の政策・技術面の提携強化の機会を提供する。
「人民網日本語版」2013年2月28日
|