日本の麻生太郎副総理兼財務相は21日夜、靖国神社を参拝した。安倍晋三首相は「内閣総理大臣」名義で供物「真榊」を奉納した。靖国神社は21日から23日まで春季例大祭で、この2日間に別の閣僚2人も参拝した。小泉純一郎首相退任後、最も深刻な閣僚の参拝パフォーマンスだ。(環球時報社説)
安倍内閣のこうした入念な演出をどう見るか?安倍氏は明らかに、この上なく危険な許容範囲ぎりぎりのきわどい行為に出ている。彼自身は参拝していないが、供物を奉納したうえ、かつて首相を務めた副総理を派遣した。彼は大きな一歩を踏み出すと同時に、中韓が一息ついて初めて気づくような姿勢変更の余地も残した。
今回の事態は日本が確実に東アジアの隣国関係におけるトラブルメーカーであり挑発者であることを浮き彫りにした。日本は自ら東アジアの変数となり、歴史問題をめぐり各国がかろうじて維持してきた均衡を打破した。安倍氏は自らは参拝しないことで、中韓に苦々しい果実を呑み込ませようと企てた。
安倍氏のこの行動は、彼がやはり中韓、特に中国の反応にいくぶん気兼ねしていることも物語っている。だが彼は余り恐れてもいない。彼はおおかた、釣魚島(日本名・尖閣諸島)をめぐる衝突で中日関係が谷底に陥る中、中国政府は日本政府と同じ程度に対立の一層の激化を懸念していると考えているのだろう。
客観的に言って、靖国神社に対する日本人の姿勢を変える能力は中国にない。中国が抗議しようとしまいと、真っ向から反撃に出ようと出まいと、日本の状況は対して変わらない。
だがそれでもわれわれは、中国はこの2日間の安倍内閣の行動を「深刻なもの」と位置づけ、日本側に厳しい申し入れを行うとともに、ある程度の反撃措置を取るべきだと考える。
これは靖国神社問題で譲歩はしないという断固たる姿勢と同時に、いかなる深刻な挑発に対しても反撃するという揺るがぬ決意を日本側に示すためである。日本は中国側の反応や中日関係の螺旋式悪化を恐れずともよい。だが日本人は、こうした念入りな心理活動を中国が蔑視しているということをはっきりと理解しなければならない。
中国はもちろん日本との友好関係の発展を願っている。だがここ数年の状況は、正常、平等、相互尊重の原則によってこの目標が実現される可能性はすでにないことをはっきりと示している。中日両国社会は、現段階では相互対立する運命にあるのかも知れない。中国が中日関係を世界戦略の最高目標として、一種の「大いなる韜略」によって日本に対して我慢の譲歩をしない限りは。
だがそうした操作は国家の戦略に対して民意の影響力が次第に増しているこの時代において、全く不可能だ。歴史上中国に対して悪事の限りを尽くし、現在また居丈高に迫る日本の機嫌を取ることに、民衆が同意することもあり得ない。もし戦略学者が中国はこう「すべきだ」ああ「すべきだ」と言うのだとしたら、それは彼らの幼稚さであり、インテリの机上の空論だ。
歴史問題における日本の挑発に対して、中国に退路は断じてない。後退は自らを隅へ追いやるだけだ。従って、中国はむしろ「少し度を過ぎてでも」反撃すべきだ。これが日本との激しい対立を招くとしても、泰然として受け入れるべきだ。
中国は日本に譲歩しないが、感情に走り何かというと「怒らせられる」必要もない。われわれは日本の挑発に対して「冷静な不満」を保ち、秩序だった反撃を行う必要がある。これによる中国経済の損失にわれわれは耐えられるはずだ。日本が同様の損失を被ったか否かについては、過度に注目すべきでない。われわれがそうするのは日本の挑発は受け入られないからであり、これは利益と引き換えにすることはない原則だ。
中国に別の選択肢はない。中日関係が長期間冷え込み、後退し続けるか否かは、日本に決めさせればよい。すでに中国には中日関係のひどい局面に適応する能力がある。そして中国を傷つける日本の能力は低下している。これは大きな趨勢だ。
「人民網日本語版」2013年4月22日
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