毎年5月、北京第二外国語学院日本語学院の教員・生徒らは、落ち着きを失い忙しく動き始める。なぜなら念入りな準備が必要な盛典「演劇大会」が幕を開けようとしているからだ。今年も当然ながら、例外ではない。28日午後、日本語界で好評を博する同大会は多くの人々の熱い視線を迎え、明徳庁で32歳の誕生日を迎えた。
北京第二外国語学院日本語学科は1979年、学生の学習の興味を高め、日々の教育の成果を確かめるために、学生に日本語の演劇をさせようと思い立った。演劇大会はこうして、時運に応じて現れた。30数年間の発展を経て、演劇大会は成熟化に向かい、同校屈指のイベントとなり、高い評判を獲得した。脚本、演出、美術、BGMに到るまで学生が独自の力で完成させており、専門的水準が上がり続け、中国の日本語教育で独自の道を切り開いている。
今回の同大会は伝統を引き継ぎ、「学生が自ら脚本を書き、演出し、演じる」という特長を際立たせた。ステージ上の流暢な会話、役者の美しい発音は、さながら日本の専門的な劇場にいるかのような錯覚を与える。同大会では計11の劇が演じられ、「ももたろう」、「竹取物語」、「梁山伯と祝英台」といった中日の伝統的な昔話の他に、映画「1リットルの涙」の脚本に手を加えたものなどがあった。もちろん、学生のオリジナル作品の方が多かった。そのうち4年生の作品「三つの願い事」は、ユーモラスで印象深い作品で、観客からは称賛の声が後を絶たなかった。大学1年生からようやく日本語学習を始めた学生たちは、正しい発音と熟練した演技により、同校の日本語学科の「リスニング・スピーキングが全国一」という金の看板を守った。
在中国日本国大使館の三上正裕公使、国際交流基金北京日本文化センターの高橋耕一郎副所長ら在中国日本国大使館の関係者、イオン中国本社の白濱耕二部長、伊藤謝恩育英財団北京事務所の梅沢健一代表ら日本企業の役員、日本語教育界および文化界の専門家・学者が同大会を鑑賞した。
同大会のスポンサー、イオン中国本社の白濱耕二部長は学生の日本語レベルを高く評価し、より多くの学生が大胆にこの舞台に立ち、自らの能力に磨きをかけ、学習成果を示すよう激励した。白濱部長はまた、「演劇大会を一つの練習の場とし、ここで学んだ経験と教訓を、今後のセリフもシーンも設定されていない人生の舞台で役に立て、より輝かしい成績を収めて欲しい」と語った。
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