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中国映画「咒絲」が好評 「国産ホラー映画の力作」

台湾の映画監督兼俳優、戴立忍(レオン・ダイ)主演の中国初の本格的ホラー映画「咒絲」が5日に初日を迎えた。初日の興行成績はあまり理想的とは言い難いが、公開3日間で一定の勢いを維持しているだけでなく、上映回数が初日より増えるという逆転現象も引き起こし、この映画の質が以前の国産ホラー映画とは明らかに一線を画していることを十分に証明した。さらに、「『咒絲』の出現によって、国産ホラー映画はいよいよ面白くなってくる」と評価する映画ファンも現れている。「新華網」が伝えた。

■数々の謎と予測できない結末

「咒絲」は家庭関係を背景にした人々の内心に潜む邪悪さと恐怖を描き出す。物語は、表面的には穏やかだが、水面下では暗流が激しく渦巻くある家庭をめぐって発生する一連の恐怖事件が描かれる。これまでの国産ホラー映画に共通する問題点といえば、物語の展開や論理性だったが、「咒絲」は、恐怖感を過度に煽ろうとするあまり、ストーリー性をおろそかにしてしまう過去のホラー映画とは明らかに異なる非凡な実力を発揮している。映画を見終わった後、「予測不能な結末」とコメントする観客が多かったが、この結末はストーリー全体に対して一つの完璧な説明にもなっており、予測不能であると同時に、非常に説得力のあるものとなっている。

■家庭倫理「ホラー映画は社会的責任を負っている」

「咒絲」はホラー映画ではあるが、非常に新鮮なスタイルで家庭倫理や精神疾患など今の時代に合った話題を物語のテーマに取り込んでいる。妻を2回にわたって亡くしている、戴立忍扮するテレビ局のキャスターは、第3者からの脅迫や家族を襲われる事件に見舞われる。このキャスターと妻たちとのいびつな家庭関係や仕事のストレスで病的なダイエットを繰り返す長女、心のトラウマのせいで精神分裂を患う長男といった各物語のエピソードはすべて、家庭や仕事、交際といった多方面の問題を抱える現代の人々の心を直撃する。観客たちは充分な恐怖を堪能する一方で、自分が置かれている生活や時代を深く見つめ直す。

■映画の評判「国産ホラー映画がいよいよ面白くなってくる」

多くの観客は、「よく練られた脚本、素晴らしいストーリー展開」、「国産ホラー映画が本気になってきた」と映画に高評価を与えている。「咒絲」は丁寧な作品づくりや創意工夫をこらした内容によって想像以上の評価を手に入れた。映画ファンたちからは「粗製濫造」、「物語のつじつまが合わない」といったマイナス評価の象徴だった国産ホラー映画のイメージから抜け出し、未来に向かって発展する国産ホラー映画の希望の門を開けたようだ。

 

「人民網日本語版」2013年7月10日

 

 

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